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浜矩子が痛快直言 どアホノミクスの「女性活躍」に騙されるな!

2017年1月 8日号

2017年・大丈夫か!ニッポン同志社大大学院教授・浜矩子が痛快直言 どアホノミクスの「女性活躍」に騙されるな!

  •  ◇国民「奴隷化」に警戒せよ どアホノミクスの「女性活躍」に騙されるな!

 安倍政権が矢継ぎ早に推進する「働き方改革」だが、なぜ今なのか。"どアホノミクス"と批判を強めてきたエコノミストの浜矩子氏は「女性活躍推進」をはじめとする一連の"改革"に騙されてはいけない、と警鐘を鳴らす。その正体と日本の行きつく末は―。

――安倍政権は2016年、「働き方改革担当相」を新設し、女性活躍推進法に基づいて大企業に女性の採用比率などを公表するよう義務化し、過労自殺が問題になった電通に強制捜査をするなど「働き方改革」に乗り出しています。政権の真意をどう読み解きますか。
浜 安倍首相は16年7月の参院選を控える中、「アベノミクスは失敗したわけではありません」と言い始めました。必死に否定したのは、思ったように進んでいないからです。かつては「成長と富の創出の好循環を目指す」「縮小均衡下の分配政策から脱却する」と言っていたのが、選挙運動では「成長と分配の好循環を目指す」と言い出した。当初路線を修正せざるを得なくなり、「最低賃金の引き上げ」「同一労働同一賃金」などと言い出しています。"アホノミクス"の敗北感がもたらした変化であり、しょせんは実績作り、アリバイ作り、リップサービスにすぎません。そこは押さえておく必要があります。
 重要なことは、安倍政権の土台である「富国強兵路線」は放棄しないことです。「働き方改革」を構成する個々の項目は全て「1億総活躍推進」に紐(ひも)づいていくのであり、その狙いに変わりありません。あくまで「強い国家を支えられる強い経済を取り戻す」に眼目がある。女性や若者、非正規雇用者、高度人材外国人の力を徹底的に活用して生産性を上げ、競争力を強化し、闘える経済を作る。ものすごく効率が良く、生産性の上がる経済を作り出すための「働き方改革」です。実のところ「働かせ方改革」なのだ、と間違いなく言えるでしょう。
「改革」のメニューを見て人々は「おおっ」と期待するかもしれませんが、政府が「より幸せになれる」「より豊かな生活が送れる」とお手伝いしてくれるのではない。あくまで日本経済の稼ぐ力を強化する、効率を高める、生産性を引き上げるのが目的です。そこを見抜かず、「安倍政権はよくやっている」なんて騙(だま)されると、とんでもない形でこき使われてしまいます。
 いわゆる「女性活躍推進法」の正しい法律名は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(15年9月公布・施行)です。職業生活をしていない女性には活躍を推進するつもりがないことを法律名で宣言しています。女性の人権擁護、その体制強化、差別の解消が目的ではない。現に、この法律には「格差」という言葉が1カ所あるだけで、「差別」や「貧困」という言葉は全く出てきません。
 ものすごく力を入れている内容は、企業や自治体、財団などあらゆる組織に対し、「女性役員の数値目標」といった達成基準を非常に細かく設けた点です。各組織は綿密な計画を立て、実績をフォローし、状況を報告し、達成を目指さなければいけない。達成すると「よくやっています」とご褒美のマークがもらえる一方、ちょっとでもサボると取り消されてしまう。実に統制経済的な体制で、働かせ方と働き方を管理していこうという代物なのです。
 内閣府のホームページからこの法律をダウンロードすると、「附則」の後に取って付けたように「理由」と題した文章があります。この部分は政府の「法令データ検索システム」では、なぜか表示されません。とにかく「理由」には〈女性の職業生活における活躍を迅速かつ重点的に推進し、もって豊かで活力ある社会を実現するため、女性の職業生活における活躍の推進について、その基本原則を定め〉云々(うんぬん)と書いてある。何のためこの法律があるかというと「豊かで活力ある社会を実現するため」です。女性のための女性活躍推進ではない。

 

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