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「毎月分配型投信」は消えるか? 収益悪化で「タコ足配当」揺らぐ

2016年12月11日号

 フィデリティ投信は国内最大の投資信託「フィデリティ・USリート・ファンド」の分配率を11月15日から引き下げた。投資対象となる海外の不動産投資信託(REIT)市況の停滞に加え、これまでの円高により収益が悪化しているためだ。1万口当たり100円の分配金は現在、70円前後。2012年以来4年ぶりの引き下げとなった。
 だが、金融関係者によると、今回のフィデリティ投信の分配率引き下げは、単なる引き下げにとどまらず、より重要な意味を含んでいる。いわゆる「タコ足配当の見直し」だ。
 主に海外REITを投資対象とする投信は、毎月決まった一定額を分配金として支払うタイプが主流で、安定・高配当商品として高齢者に人気を博している。特に今年2月に日銀がマイナス金利政策を導入して以降、資金流入が加速している。最大の売り文句は、「公的年金を補完するには最適の運用商品」(大手証券会社)というわけだ。
 しかし、投信は本来は実績配当であり、運用環境が悪化しても分配率を維持することには無理がある。その打開策として組み込まれているのが、元本を取り崩して毎月の分配金の支払いを確保する「タコ足配当」という仕組みだ。
 一見、配当金を受け取る顧客にとってはありがたい仕組みと映るが、実態はタコ足で配当するため投信の純資産は減少し、運用効率は低下する。それでも資金が流入しているうちはいいが、資金が流出超となれば、商品そのものを維持することが難しくなる。
 さらに「毎月分配金を支払う投信は支払いの都度課税されることから、課税繰り延べ効果を失い、かつ利益を元本に元加して運用する複利効果を損なう」(前出・金融関係者)とも指摘される。金融庁もこうした投信の慣行が、個人の中長期的な資産形成を阻害しているとみており、タコ足配当の是正を求めている。
 米国ではタコ足配当は禁止されている。そろそろ見直しの時期かもしれない。
(森岡英樹)

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