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総力大特集 全世界が騒然!不安だらけのトランプ大統領

2016年11月27日号

全世界が騒然!不安だらけのトランプ大統領 日本の吉凶 在日米軍縮小で自衛隊大増強か

 ◇米外交が善悪から損得へ転換

 トランプ外交は世界をどう揺るがすのか。日本にとっては、在日米軍の経費負担増や自衛隊の大幅増強を迫られる可能性が高そうだ。従うにせよ拒否するにせよ、日本の判断は韓国、中国や北朝鮮などの反応を引き起こすだろう。

 選挙翌朝、ヒラリー・クリントン氏は敗北を認めた演説で「広い心を持ってトランプ氏を指導者に迎える機会とすべきだ」と述べた。我々もトランプ氏が外交をどう考えるか虚心坦懐(たんかい)に知ろうではないか。
 トランプ氏の公式サイトには、ワシントンで4月27日に発表した「外交政策演説」が載っている。それによると、オバマ政権の外交政策には次に挙げる五つの弱点があるという。
(1)自由貿易を促進したことで貿易赤字が膨らみ、軍に割く予算を減らした結果、米軍が弱体化した
(2)欧州とアジアの同盟国を防衛するため、何兆ドルも兵器と軍に費やしたが、同盟国の多くは費用負担を怠っており、不当だ
(3)エジプトやイスラエルなど友好国を蔑(ないがし)ろにし、敵対国イランと最悪の合意をしたため、友好国が離反しかかっている
(4)北朝鮮の敵対姿勢や核開発を放置し、中国の経済的攻勢、サイバー攻撃、産業スパイ行為を許した結果、両国を含め競合国は米国を見くびるようになった
(5)イラク、リビア、シリアへの介入政策の結果、混乱がかえって増長し、イスラム国(IS)を野放しにする結果となるなど外交政策の目的が失われている
 トランプ氏は現状を批判し、変革プランを提示した。その要点を「イスラム過激派の制圧を外交政策の主要目標とする」「弱体化した軍再建の財源は、貿易や移民政策を改め、経済を活性化することで得られる」などと連ねる。対外関係の原則は「寛容に対応する相手は、友好国と立証できた国だけにすべきだ」。ロシアと中国とは関係改善を探るが、「うまくいかなければ離別するだけだ」。北大西洋条約機構(NATO)加盟国とアジアの同盟国とは、就任後に費用負担などを話し合うサミットを開催するという。
 米シンクタンク「戦略国際問題研究所」で上級アドバイザーを務めるエドワード・ルトワック氏はたびたび来日し、10月31日には安倍晋三首相と首相公邸で会談したばかりの人物だ。本誌の取材に、トランプ外交を次のように説明する。
「イスラム圏から離別し、ロシアのプーチン大統領と手を結び、中国の南シナ海などの問題行動をやめさせる。オバマとヒラリーはプーチンを見下す態度を取ったが、トランプは違う。プーチンは礼節をもってトランプに応じるだろう」
 中国の習近平国家主席は2013年に訪米し、オバマ大統領と「新型大国関係」を掲げたにもかかわらず、南シナ海での埋め立てを強行した。トランプ氏は米国が見くびられていると感じ、就任後は中国の野心に挑戦するという見方だ。
 選挙戦中、トランプ氏は「プーチンはオバマ大統領より指導者然としている」などと褒める一方、ロシアもトランプ氏に好意的だ。勝利後の11月10日、ロシアのペスコフ大統領報道官は訪米中のニューヨークで、プーチンとトランプの両氏は「外交政策の原則が同じ」などと語っている。

 ◇陸自部隊が「日本版海兵隊」に!?

 オバマ大統領の任期満了が近づき、中露だけでなく北朝鮮、トルコ、ハンガリー、フィリピンは、米国を挑発する動きに出ている。ルトワック氏は「米国人は武力を信じ、いつでも使う準備ができている」と、トランプ氏がそれらの国々に厳しく臨む可能性を示唆する。
 では、日本はどうか。ルトワック氏は「トランプが無礼な要求を突きつけることはない」と言う。
「トランプが安倍さんに求める内容は、米国が以前から日本に求めてきたことと同じだ」
 自衛隊の任務拡大や装備増強、米国との共同演習など協力関係の進展、それに非公式の「中国包囲連合」構築のため、ベトナムへの巡視船の供給といった準軍事支援を求める。ルトワック氏はそう見通している。

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