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「買い取り価格」下落で大打撃 太陽光発電"冷え込み"傾向か

2016年8月28日号

 福島原発事故を機に盛り上がった太陽光発電。バブルに沸いた関連業界もこの1年で冷え込んできたようだ。
「企業全体の倒産件数が減少しているにもかかわらず、太陽光発電関連企業の倒産件数は増えている」
 そう話すのは、民間信用調査機関の担当者だ。関連分野には2013、14年の2年で新たに約3000社以上が参入したとみられる。
 一方で「帝国データバンク」の調査では、関連企業の倒産は14年21件、15年36件、16年は1月~5月で17件が倒産しており、前年同期の13件を上回るペース。資本金が少なく、業歴の浅い企業の倒産が目立つという。
 主な原因は「再生可能エネルギーの普及拡大のために設けられた固定価格買い取り制度(FIT)の価格が4年連続で引き下げられたことが大きい」(前出・担当者)という。開始年の12年には事業向けで1キロワット時あたり40円だったが、技術革新やコストダウンに合わせた結果、今は24円だ。
「当初の買い取り条件に飛びついたまではよかったが、設置コストが下がるのを待つなど未着工の事業者は多い。経産省も発電を始めない事業者には、買い取り価格を引き下げたりする方針と聞いている。事業者側も、設置予定場所の地権者への投資話が"カラ手形"になりかねない状況。このため、あえて会社を潰しているのではないか」(太陽光発電事業者)
 前出の調査機関担当者によれば、「太陽光発電への過剰な期待の反動か、再生可能エネルギーへの熱が冷めてきている」という。半面、政府は原発の再稼働や新設に前向きだ。こうした風向きの変化を受け、6月に電気事業連合会会長に就任した中部電力の勝野哲(さとる)社長も、30年時点の電源構成で原発を20~22%とする政府方針を達成するために「新増設が必要」と述べている。
 政府方針では再生可能エネルギーの比率目標は22~24%。「絵に描いた餅」にしてはならない。
(田口嘉孝)

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