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「処分庁」から「育成庁」へ転換 森長官が狙う「金融庁」大改革

2016年8月28日号

「金融処分庁」と揶揄(やゆ)されるほど行政処分を連発し、銀行経営者のクビを取ってきた"強面(こわもて)"の姿はもはや過去のものとなったようだ。
 金融庁の森信親長官は7月中旬、地域銀行トップとの会合でこう明言した。
「麻生金融担当大臣の言う『金融処分庁から金融育成庁への転換』の流れを、一過性ではなく(金融庁の)幹部が変わっても後戻りしないようにすることに重点を置きたい」
 この一環として、森長官は7月以降の新事務年度から検査・監督の考え方や手法を改めて見直すという。外部の有識者を交えた部会で検討する予定で、想定される新しい検査・監督の柱は(1)「ルールからプリンシプル(原理・原則)へ」(2)「過去から未来へ」(3)「部分から全体へ」の3点だ。
 これだけでは禅問答のようで分かりづらいが、(1)は単に表面的・形式的にルールを守ることから、ルールの基となる原則、例えば顧客の利益のために最善を尽くすことが実質的に実現されているか―などに重点を置く。
 (2)は、検査官は事後的な実態把握ではなく、将来に向けたビジネスモデルが持続的に維持されているか―といった未来志向の視点で検査する。
 さらに(3)では、従来の柱だった個別の貸出資産の査定から、経営上の最大リスクは何かを考え、重要性の原則に基づいてモニタリングを行う。例えば将来の金利変動リスクについても「ストレステストを導入し、市場環境の変化を取り込めるよう、先行きを見据えたものへの改善を考えている」(金融庁幹部)という。
 金融機関へのヒアリングでは、単なる実態把握にとどまらず、リスクの背景にある各金融機関のビジネスモデルの在り方にまで踏み込んだ議論が行われる見通しだ。
 改革の中身は、金融機関が抱えるリスクの実態を早期に把握し、金融機関と行政当局が問題意識を共有するための環境整備。例えるなら、「がんの早期発見と治療」と言えそうだ。
(森岡英樹)

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