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沖縄 国連勧告「撤回」「修正」の動き 背後に蠢く「選挙対策」の思惑

2016年6月 5日号

 沖縄先住民族の言語や文化、歴史の保護を日本政府に求めた2014年8月の国連人種差別撤廃委員会の勧告。大型連休前に開かれた衆院内閣委員会で、木原誠二副外相は「事実上の撤回、修正を働きかけたい」と述べた。宮崎政久議員(自民)の「沖縄県民が先住民族だと思っている人はいない。民族分断工作だと言ってもよい。放置しないでほしい」との質問に答えた。
 国連が規定する「先住民族」の指標は、人種や言語、民族に加え、そこの土地は誰のものだったのかという土地の帰属が重視される。他者に土地を奪われた、元々その土地に住んでいた人々を指す。
 国連勧告の判断基準となったのは、次の3点だ。
 (1)琉球王国が1850年代に米、仏、蘭と修好条約を結び、国際法上の主体(主権国家)として存在していた(2)1879年、日本によって併合され沖縄県が設置された(3)その後、日本の支配を受け差別の対象とされた―。
 政府が琉球王国にさかのぼる沖縄の歴史に目を背け、国連勧告の撤回を画策するのには伏線がある。昨年9月、スイスで開かれた国連人権理事会で、沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は「沖縄の自己決定権がないがしろにされている辺野古の現状」を訴えた。翁長知事は「先住民族」という言葉こそ使わなかったが、この演説を巡っては同年10月の県議会で、自民党議員が「世界中に恥をさらした」と激しく追及した。
「"未開・野蛮"とのイメージを与える先住民扱いを県民は拒否している」とでも言いたいようだが、実際のところは、辺野古移設の不条理を国際世論に訴えようとする翁長知事への牽制(けんせい)である。
 国会に舞台を移した国連勧告への撤回、修正のやり取りには、国際世論の批判をかわしたい政府、翁長知事にプレッシャーをかけ、6月5日投開票の県議選、続く参院選を有利に戦いたい自民党の思惑が透けて見える。
(友寄貞丸)

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