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「東芝」組織再生へトップ刷新 内部昇格2人の不安な出身畑

2016年5月29日号

 不正会計問題の発覚から1年経った東芝が5月6日、トップ人事を刷新した。
「新生・東芝」へ改革を牽引(けんいん)するのは、綱川智氏(60)と志賀重範氏(62)の2人の副社長だ。6月の株主総会後、綱川氏が社長に、志賀氏が会長にそれぞれ昇格する。
 両氏を選んだ理由を、外部の有識者で構成する指名委員会の小林喜光委員長(三菱ケミカルホールディングス会長)は「事業範囲が広く、深い知見が求められるため、内情をよく知る(内部の)人から選ぶのが適切だ」などと述べた。だが両氏の経歴を考えると、一抹の不安がよぎる。
 というのも、両氏の出身部門が、いずれも東芝の将来を支えるには、いささか心もとない状況にあるからだ。
 志賀次期会長が歩んできた原子力事業の見通しは暗い。
 原子力を含むエネルギー事業は将来の柱の一つに位置付けられるものの、国内外の原発受注は思い通りに進んでいない。4月には米原子力子会社ウェスチングハウス(WH)の資産価値を見直し、約2600億円の減損を発表した。
「WHと一緒にやっても東芝のうまみは少ない。例えば、WHが中国で受注した原発の主要な部材の多くは、米国や韓国企業から調達した。東芝本体が十分な相乗効果を得られるとは考えにくい」(原子力事業の専門家)
 しかも、志賀氏は第三者委員会から不正会計への関与を疑われ、「若干のグレーと思われている」(小林委員長)。
 入社以来、医療用機器事業を担当してきた次期社長の綱川氏に至っては、"虎の子"だった東芝の医療子会社はキヤノンに売却され、今や古巣そのものがない有り様だ。
 早稲田大学の長内厚教授(経営戦略)は「事業領域の広い東芝こそ、グループ全体を中立的・総合的に把握できる外部人材のほうが適しているのではないか」と指摘する。
 不正の温床となった社内の風土やしがらみを超え、再生を果たせるか。
(池田正史)

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