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 「反安保法制」国会デモの主役「SEALDs」舞台裏に密着

2016年5月22日号

昨夏、国会前で"戦争法"に反対する声を上げた学生団体「SEALDs(シールズ)」のドキュメンタリーが公開される。西原孝至監督の「わたしの自由について―SEALDs2015―」。小熊英二監督の「首相官邸の前で」に続き、国会周辺を舞台にした映画はこれで2本目だ。それだけ政局は緊迫している。
 映画はインターネットにアップされた動画を集めた小熊作品と異なり、全て西原1人で撮影、編集、製作した。驚いたのはシールズのメンバーでもない西原監督が彼らの立ち上げから密着し、その様子をとらえていたことだ。
 最初の国会前抗議は6月5日の土砂降りの中で行われたが、そこから既に撮っていた。しかも監督は彼らの舞台裏に入り込み、なぜ抗議に立ち上がったのか―教室でのミーティングや規約ともいえない規約、英文のプラカード作りなど―個人の主体を大切にする運動に光を当てる。
 そのあたりの前半部分が興味深かった。学生たちも大学の枠を超えて集まり、自己紹介し合って、終わればてんでに帰っていく。これもネット社会の特徴なのか。
 彼らのスピーチも独特で「戦争したくない。人を殺したくない......この叫びがきれいごとであってたまるか!」(女子学生)、憲法前文を読んで「これはおれ自身の言葉なんだよ!」(男子学生)など。胸に響いてくる。
 特に3人の学生(奥田愛基、牛田悦正、芝田万奈)に焦点を当て、牛田の自宅にまで押しかけている。哲学書が並ぶ本棚にラップの分厚い本もあり、膝を屈曲させてのラップ調コールは本格的なんだと納得。奨学金480万円を借りていて、返済額は600万円になるとの話には驚かされた。
 芝田は裏方として八面六臂(ろつぴ)の活躍ぶりで感心した。また、奥田の国会での名スピーチの前後も撮影していて興趣は尽きない。が、165分は長い。劇場外用の短縮版も作ってはどうか。
(木下昌明)

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