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建て替えままならず倒壊寸前 地震で大破...熊本県宇土市庁

2016年5月22日号

熊本地震では、地域で最も頑丈な建物という「常識」が打ち破られ、大破してしまったお役所がある。
 熊本市の南西に位置する宇土(うと)市役所だ。同市では地震関連死とみられる犠牲者が2人出たが、周辺の民家なども傍目(はため)には大きな被害があったようには見えない。ところが、市庁舎だけが見ていても怖いくらい見事に崩壊している。
 4月14日と16日、2度の激震(宇土市では震度5強と6強)に見舞われたが、夜間と未明の発生だったため、職員や来庁者は不在。業務時間内に起きていれば、死傷者が出ていたかもしれない。
 我が家のことも後回しに駆け付けた職員たちは、当初は公園のテントなどで、現在は市民体育館に移って業務を続けている。しかし、本庁舎が倒壊する危険があり、別館にある重要資料なども取り出せないままでいる。「(14日の)最初の地震では壁にクラック(亀裂)が入っており、『もう一度大きいのが来るとちょっと怖いな』と話していた。そしたら、それ以上の地震が本当に起きてしまった」(山本桂樹・同市企画部長)
 同庁舎は築51年と古く、13年前に耐震調査したところ、構造が複雑で耐震補強工事が困難と判明したため、庁舎の建て替えが検討されていた。
「耐震補強の場合は国から相当額の補助が出ますが、建て替えでは補助が出ない。財政状況も厳しいため、学校、体育館などの補強を優先し、庁舎は後回しになっていました。ようやく2月に庁舎改築の答申がまとまり、4月14日に市民に改築についてのアンケートを一斉に発送したばかり。まさに、その日の夜に最初の地震が起きた」(同)
 耐震調査では「震度6強では、かなり危険な状態になる」と判定されていたが、建て替えについては市民から「公務員の職場ばかり立派にして」などの批判も受けていた。
 遅れに遅れていた改築計画、今度はスムーズに進むか。
(粟野仁雄)

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