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もはや列島に安全地帯はない 熊本大地震の衝撃

2016年5月 1日号

 緊急地震速報の不気味な音が鳴った直後、熊本市周辺で最大震度7の"激震"が襲いかかった。さらに28時間後の4月16日未明から明け方にかけて規模がより大きい最大震度6強の大地震が続いた。発生している被害は甚大だ。日本列島の地下で何が起きているのか。

 4月14日夜の地震では、震度7を観測した熊本県益城町(ましきまち)を中心に老朽化した家屋が多数倒壊し、下敷きになった人などが9人死亡、1000人以上が負傷した。避難者は西隣の熊本市などを含め一時4万人を超した。
 余震が続く中、16日未明と明け方には最大震度6強の新たな地震が2回発生し、被害が拡大した。熊本市では鉄筋コンクリート造りの集合住宅が崩れ、病床数500以上の総合病院が倒壊のおそれがあるとして入院患者が退避するなど多数の建築物に被害が生じた。南隣の宇土(うと)市では市役所庁舎が倒壊寸前になり、県南部の八代市では火災が発生した。また、震度6弱を観測した県内や九州各地でも、土砂崩れが起きるなどして道路や鉄道が寸断され、電力や水道などのインフラが機能不全に陥っている。16日の新たな地震による死者は19人、負傷者は数百人に上る(同日夕方現在)。
 死者28人もの人的被害は東日本大震災以来だ。ただし、地震規模はマグニチュード(M)9だった大震災よりだいぶ小さい。4月14日夜の地震はM6・5、16日未明はM7・3だった。地震学では、一連の地震のうち最も大きな地震を「本震」、その後に引き続き起こる地震を「余震」という。つまり、当初、本震とみられていた14日夜の地震は、実は本震に先駆けて起こる「前震」で、16日未明の地震が「本震」だったことになる。今回ほどの被害を及ぼす前震は、世界的にも異例だ。
 M7・3は阪神淡路大震災を起こした兵庫県南部地震と同規模だ。マグニチュードは1増えるとエネルギーは約32倍になる。16日未明の地震は14日夜の地震よりエネルギーが約16倍大きかった。14日と16日の地震で被害が拡大したのは、地震規模もさることながら、震源位置が地下10キロ前後と浅く、市街地の直下だったことが大きい。
 武蔵野学院大の島村英紀特任教授(地震学)が地震のメカニズムを解説する。
「地震は二つあって、一つは海溝型地震というプレート(地球の表面を覆う岩板)の境界にエネルギーがたまることによって起きる地震。もう一つは直下型地震という活断層が動くことによって起きる地震です。今回の地震は後者で、『中央構造線断層帯』という日本最大、最強の活断層帯の一部が起こした地震です」

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