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浜矩子×野口悠紀雄「ド」アホノミクス「メッタ斬り」対談

2016年4月10日号

◇消費増税延期なら「法人増税」を!
◇アベクロ流「マイナス金利」は国家破綻の道

「このところ弱さもみられる」。政府は3月23日、景気判断を下方修正した。永田町の思惑も絡み、消費増税の延期論が勢いを増しそうだが、果たして正しい判断なのか。もはや限界点を超えたアベノミクスを、経済学者の浜矩子氏と野口悠紀雄氏がブッタ斬る。

―2017年4月の消費増税(10%)は延期すべきなのか。官邸に呼ばれたノーベル賞経済学者がそう進言するなど、増税延期論がにわかに高まっています。どうお考えですか。
野口 経済に対する短期的な影響だけを考えれば、増税延期の考えになると私も思います。ただし、長期的観点で日本の財政を考えれば、社会保障の支出は増えていく。だから、10%への増税は社会保障政策と一体で考えられてきたのです。それなのに延期だけを議論するのは無責任で、日本の財政に対する国際的な信頼を著しく失墜させてしまう。日本国債への信頼が失墜すれば価格は暴落し、金利は暴騰する危険が短期的にもあります。
 私は延期が不可避なら、法人税を増税して財源を賄うべきだと思います。企業の利益は12年ごろに比べて5割近く増えています。企業が努力して生産性を上げたからではなく、円安と原油価格の低下という"他力本願的な理由"で生じたものです。それを徴収するのは公平性の観点からも正当化されると思います。また、利益の増加は内部留保を増やしているだけであり、それを法人税の形で吸収して消費増税延期の財源とすることは、マクロ的な観点からも望ましい。問題は法人増税を主張する政治勢力が全くないこと。日本の経済政策の悲劇です。
浜 日本の財政状況に鑑みると、間接税から税収が上がる租税体系に移行するのが合理的であり、不可避な選択だと思います。だから政府は「医療、介護、年金と子育ての財源を捻出するために消費増税が必要だ」と、税と社会保障の一体改革で謳(うた)ったはずです。ところが、延期説が浮上しているのは、8%への増税が生活や消費へ与えたインパクトが大きく、目下の経済の実態が良くないからでしょう。そうなら、10%への増税はいつまでも延期されることになりかねません。
 この際、基本税率は高いが食料品や市内交通費など日常的支出に大幅に軽減税率を設けるという、欧州の付加価値税のような体系に組み替えることを考えてしかるべきです。そのためなら、増税時期が多少ズレるのは仕方ないかもしれません。その場合、政府は国民に「今までの"広く浅く(=全品目の税率が同じ)"というやり方では限界が来ている。"高く狭く"という消費税に組み替える。そうしないと先に進めないので、ここは増税を延期して猶予をいただきたい」と説明するべきです。しかし、「この状況で増税すると国民が猛反発するだろう」という理由で延期するのは政策責任者として無責任極まりない。
 法人税増税をおっしゃった点はその通りだと思います。企業の預金に銀行がマイナス金利を課すことがあっていいかもしれません。
野口 (企業預金へのマイナス金利は)面白いアイデアですが、その収入は銀行に入ります。だから銀行をどうするかを考えないといけませんね。そこは税で吸収するしかないでしょう。

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