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熱中症 これで対策は万全だ わが家が一番危ない!大反響第3弾

2020年8月16日号

 本誌8月2日号では、熱中症発症に警戒すべき「室温×湿度」の組み合わせや集合住宅では上の階ほど重症化率が高いことなどをお伝えした。ならばどう対策をすればいいのか。根本解決となる「住宅の断熱」を含め、今すぐできる〝冷〟を取る方法を紹介しよう。

 ◇寝室の青と紫では睡眠時間に大差

 ◇床や天井が木目柄でも鎮静効果

 寝苦しい夜が続いていないだろうか。

 猛暑が予想される今夏、住居内での熱中症を防ぎ、快適に過ごせる策は複数あるが、最初に取り上げたいのが「色」である。

 寝室のカーテンや布団カバーなどが「睡眠時間」や「寝苦しさ」に影響を与えている可能性があるのだ。

 左下の表を見てほしい。英国で2000世帯の「寝室の装飾色と睡眠時間」を調べた大規模研究の結果である。その報告によると、最も睡眠時間が長い部屋の色は「青色」。最も結果が悪かった「紫色」の部屋と比較すると、睡眠時間におよそ2時間もの差があることに驚くだろう。「青は血圧や心拍数を減らし、良い睡眠の助けになる」と報告されている。住環境、製品のカラーコンサルティングを行う日本ユニバーサルカラー協会代表理事の南涼子さんによると「特に青は、夏に見ることで、暑さによる苛(いら)立ちを抑える作用がある」と言う。

「色は大脳で認識され、感情の中枢である『扁桃(へんとう)体』やホルモン分泌を促す『視床下部』を刺激し、心身に強く影響を与えるんです。青は鎮静という作用を持ち、精神を安定させるので夏向きでしょう。反対に赤やオレンジ、クリーム系などの暖色系は脳の興奮レベルを上げるため、冬は暖かみを感じさせますが、夏は暑苦しいかもしれません」

 暖色系と寒色系ではそれらの色を見た時に、体感温度として「3度の差」があるといわれる。夏は寒色系の青、中性色の緑色を室内に取り入れるのがお勧めだ。ちなみに英オックスフォード大などが行った研究では、六つの異なる色の中でオリーブグリーンという「渋く濃い緑色」の部屋では、部屋に入った被験者が実際の室温よりも「暖かさを感じた」と報告している。

 一方で、マレーシアのマラヤ大が行った研究では、「薄い緑色」が高齢者の血圧や心拍数を穏やかにし、心身をリラックスさせるという結果が出ている。つまり、本来のグリーンは中性色といって暑くも寒くもならないが、濃い緑色は暖かさを、薄い緑色はイライラしがちな夏の暑さに安らぎを感じさせると言い換えられる。

「夏は白が加わると涼しく感じやすいので、濃い青または深い青よりも水色、濃い緑色よりもブルーグリーン系がいいですね。暖色系の色を使いたい時はパステルカラーのような明るさがあれば、暑苦しさを感じにくいです」(南さん)

 布団や枕カバー、カーテン、カーペットなど、〝夏バージョンの色〟を、試せそうなところから取り入れてみよう。

 また、色は視覚だけでなく、皮膚でも感じられる。たとえ目隠しをしていたとしても、皮膚は色光に反応して筋肉を緊張させたり緩めたりすることが分かっているため、部屋着に寒色系を取り入れてもいい。

 色以外にも、室内の見た目を変化させると、イライラしやすい夏に快適さを取り戻せるだろう。長年、健康的な住まいを研究している慶應義塾大理工学部の伊香賀俊治教授が行った研究で、「室内の仕上げ」が人工材料か自然素材かで自律神経や睡眠時間、翌日の作業成績に影響することが明らかになっている。

「床を木目柄ビニール、次に床と天井を木目柄ビニール(自然風)、そして自然素材のスギ無垢(むく)材の部屋に男子学生を振り分け、3泊してもらいました。それぞれの入室者の就寝前の自律神経(交感神経)を測定すると、自然素材の部屋で鎮静効果が確認できたのです。床と天井が木目柄ビニールの部屋でも自然素材ほどではありませんが、鎮静に傾きます。『視覚』だけが自然風の刺激でも、体に影響するということですね」(伊香賀教授)

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