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ステイホームでも熱中症を防ぐ わが家が一番危ない! 第1弾

2020年8月 2日号

 熱中症は例年、梅雨明け後に救急搬送のピークを迎える傾向がある。発生場所は意外にも「住居内」がトップ。「戸建て」と「マンション」での暑くなりやすい時間帯、室温を下げるポイント、エアコンの使い方を解説する。暑い夏を快適に乗りきろう。

 ◇マンションは夜 木造戸建ては昼に注意

 近年は住宅内での熱中症が多発している。総務省の発表によると、昨年5〜9月に熱中症で救急搬送された7万1317人のうち65歳以上は約3万7000人と半数を超え、発生場所は住居内が38・6%とトップ。住居内での熱中症発症は2018年が約40%、17年は37%と、ここ数年、4割近くを占めているのだ。熱中症に詳しい帝京大病院高度救命救急センター長の三宅康史医師はこう話す。

「熱中症には、元気な人が暑い中でのスポーツや仕事によって体調不良に陥る『労作性熱中症』と、熱波に包まれた環境(室内)で過ごすことによる『古典的熱中症』があります。数として圧倒的に多いのは、高齢者による古典的熱中症です。熱中症だけではなく、暑さによって持病が悪化したり、低栄養、脱水、さらには感染症の合併などを起こして、命に関わることも少なくありません。近年は高齢者が誰からもケアを受けないまま一人暮らしをしているケースが多く、〝暑くなりすぎた夏〟を乗り越えられなくなっています」

 室温28度以上&湿度70%以上――これが室内熱中症の警戒ラインだ。室温25〜27度、湿度50%前後に抑えるのが望ましい。

 さまざまな家を訪問し、どういう住宅が熱中症を起こしやすいかを長年調査してきた慶應義塾大理工学部の伊香賀俊治教授によると、室内で活発に動いていなくても、室温28度&湿度70%以上を上回ると高齢者に限らず熱中症発症に注意が必要という。室内での熱中症予防に関する世界的なガイドラインはないが、国内では日本生気象学会が「日常生活における熱中症予防指針」を、また日本救急医学会も新型コロナを踏まえた熱中症予防に関する提言を発表。それらを踏まえ、伊香賀教授が温湿度基準と注意事項を右下の表にまとめた。各部屋に温湿度計を設置し、この表を見ながら今が熱中症を発症しやすい温湿度でないか、日々確認する習慣をつけたい。

 また、住宅のタイプによって「熱中症になりやすい時間帯」が異なる。マンション住まいの人は「夜」に注意が必要だ。

「多摩ニュータウンで調べた例では、鉄筋コンクリートマンションは暑い時間が長く続くんです。厚さ10~20㌢のコンクリートの屋根や外壁が日中に熱をためこみ、それから5~10時間遅れて室内にじわじわ入ってくる。そのため朝まで暑い。さらに何階建ての建物かに関係なく、屋根の直下である最上階に住む人は熱中症が重症化しやすいですね。救急搬送された患者さんの中で、最上階に住む人の9割が入院を余儀なくされる状況です(左上のグラフの通り)。夏の日射を吸収し、天井表面温度が高くなってしまい、その熱が室内に入ってきます。中間階と比べ、全時間帯を通じて室温が1度高いです」(伊香賀教授)

 一方で、木造戸建て住宅の場合は熱をためこむ材料がほとんど使われていないため、外気温に合わせて室温が上下しやすいのが特徴だ。

「ですから戸建て住宅は外が暑い『昼』に気をつけた方がいいですね」(同)

 日中は冷房を25~27度に設定しよう。ここで光熱費がもったいないからと、冷房をかける時間を減らすのは、室内熱中症を予防する観点から厳禁。日本救急医学会などがまとめた「熱中症データベース」では、住宅内で熱中症を発症した患者のうち約9割がエアコンを停止中か、そもそもエアコンを設置していないという調査結果がある。

 また、エアコンの冷房は設定温度になるまでの時間が電気代が最もかかるため、こまめにスイッチをオン・オフすると、かえって電気代がかさむことがある。30分程度の外出の場合、特に外気温と設定温度との差が大きい時は「つけっぱなし」の方が室内温度を保つのにパワーがかからず、電気代が抑えられるのだ。

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