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「得する」がん保険 知らなきゃ損!新登場「わりかんタイプ」なら保険料がタダの月も

2020年6月28日号

 日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人が死ぬ時代。がんに特化した保険商品も通院治療の保障が主流になり、細分化している。今年、初登場した保険料後払いの「わりかん保険」は本当にお得なのか。これを機に無駄を減らして、しっかり備えたい。

 今年1月、日本初の保険料後払いのがん保険、「わりかん保険」が発売された。引受保険会社は「コロナ助け合い保険」「スマホ保険」などユニークな商品を発売している少額短期保険のジャストインケースだ。

 従来からある保険は年齢や性別などから算出した保険料を、あらかじめ契約者から集めて運用し、病気やケガ、死亡などの保険事故にあった加入者に保険金を支払っている。予定よりも保険金の支払いが少なければ、残ったお金は保険会社の利益や内部留保になる。消費者の目で見ればコストが割高に映る。

「わりかん保険」は、海外では導入されているピア・ツー・ピア(P2P)型の保険で、加入時に保険料の支払いはない。P2Pは「対等なもの」を意味するネット用語で、契約者は保険金の支払いに必要な分だけ後払いで保険料を負担する。

 がんや上皮内がんと診断された時にもらえるお金は一律80万円。この他、死亡時には年齢や性別に応じた死亡保険金が支払われる。契約者は年齢層でグループ分けされ、その月にそれぞれのグループ内で支払われた保険金に、保険会社の手数料を加えた金額を、契約者が割り勘で負担する。

 契約者が多いほど割り勘人数が増えて、1人あたりの保険料も軽くなる。保険金の支払いがなければ、その月の保険料はゼロ。反対に保険金の支払いが増えれば保険料も増えるが、月額上限が設けられており、20〜39歳は500円、40〜54歳は990円、55〜74歳は3190円。

 契約者の負担が明朗で、割安な保険料でがんの保障を得られる商品として注目を浴びている(ただし、国の規制緩和のサンドボックス制度を利用した実証実験なので、加入者数などによっては来年1月末で終了する可能性もある)。

 自身もがんのサバイバーで、がん保険に詳しいファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは、わりかん保険をはじめ、近年、新しいがん保険が発売されている背景をこう話す。

「一昔前のがん保険は、診断一時金と入院給付金がセットになった商品が一般的で、各社横並びでした。でも、がん保険に求めるものは、『抗がん剤などの通院治療に備えたい』『療養中の医療費と生活費を両方カバーしたい』などさまざまです。特にがん治療が長期化、高額化していることで、特徴のある商品が発売されるようになっています」

 国立がん研究センターのホームページ「がん情報サービス」(がん統計)によると、新たにがんと診断された人は、1985年は33・1万人だったものが、2017年は97・7万人に増加。その一方、5年生存率(全部位)は、93〜96年は53・2%だったものが、09〜11年は64・1%へと改善している。

 罹患(りかん)者数は増えているものの、がん検診による早期発見、画期的新薬の登場など、医療の進歩によって、がんは「不治の病」ではなくなってきている。だが、がんが「治る病気」になったことで、新たなリスクも生まれている。

 NPO法人「がんと暮らしを考える会(通称・がんくら)」の理事長・賢見卓也さんはこう話す。

「がんの療養中は、療養の長期化、医療費の高額化、休業による収入減少による経済的リスクがあります。これに対してどのように準備していくかが、新たな課題となっています」

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