くらし・健康詳細

イチオシ
loading...

ラーメン店が多いほど脳卒中で死亡する ご当地食と健康の新事実!

2020年5月24日号

 自粛生活で、似たようなものばかり食べ続けていないだろうか。人は案外、生まれ育った土地の味付けや食材に影響を受けているものだ。気になるのは〝ソウルフード〟と健康の意外な関係。何とラーメン店が多い都道府県では脳卒中の死亡率が高いことが明らかになった。

 良くも悪くも地域に根ざす食習慣というのはある。

 たとえば東北地方。雪が降ると食料を買いにいく手段がない時代、食べものを塩漬けにして保存する家庭が多かった。そのため歴史的に塩分摂取が多く、胃がんの発症率が高い傾向にある。

 一方、海に近い静岡県や愛知県などは新鮮な魚介類が手に入りやすく、温暖な気候で果物も豊富。これらの地域は、比較的がんにかかりにくく、健康寿命も全国平均より長い傾向にある。

 このように「地域の生活習慣と健康」との関連は数多くの指摘や分析をされてきたが、一方で食、それも「外食」にスポットをあてた国内での研究はほとんどされてこなかった。

 そんな中、昨年、自治医科大医学部内科学講座神経内科学部門の松薗構佑助教らが画期的な研究を英国の栄養学専門誌『Nutrition Journal』に発表した。

 松薗助教は鹿児島県で生まれ育ち、秋田県、岡山県、大阪府、京都府、現在の栃木県の病院での勤務経験から「地域による脳卒中死亡率の差」と「食習慣の関係」を感じていたという。

「脳卒中を予防するために何が必要なのかをずっと考えてきました。鹿児島、栃木、秋田は日本の中で脳卒中死亡率が高い県、大阪や京都は低い県、岡山はその中間に位置します。鹿児島、栃木、秋田は地域の特性がかなり異なっていますが、その中で何か共通点はないだろうかと思いながら、ある日車を運転していました。その時、栃木県内でラーメン店の看板が多いことに気づき、これだ!と思いました。ラーメンと脳卒中との関係を研究しようと、取りかかったのです」

 松薗助教らは4種類の外食店――▽ラーメン店▽ファストフード店▽フランス及びイタリア料理店▽うどん及びそば店の「店舗数」をNTTタウンページの電話登録を利用して集計し、都道府県ごとに男女別人口当たりの店舗数を算出した。さらに厚生労働統計協会の『国民衛生の動向』(2015年)を用いて「脳卒中」と「心筋梗塞(こうそく)」による死亡率を集計し、4種類の外食店との関係を調べた。その結果、「ラーメン店の数」と「脳卒中の死亡率」に統計的に有意な関連性があったという。

 つまり「人口当たりのラーメン店の数が多い都道府県ほど、脳卒中の死亡率が高い」結果が示されたのだ。

 米国でいくつかの研究報告のあるファストフードや、健康に良いと言われてきた地中海食であるフランス料理店やイタリア料理店、うどんやそば店との間には、脳卒中や心筋梗塞などとの関連が示されなかった。

政治・社会

くらし・健康

国際

スポーツ・芸能

対談

  • 艶もたけなわ

    片岡亀蔵 歌舞伎俳優

    2020年5月24日号

    阿木燿子の艶もたけなわ/301   実力派の歌舞伎役者として、半世紀の長きにわたり...

コラム