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家計も緊急事態!生活防衛術座談会 荻原博子×森永卓郎×藤田孝典

2020年5月10日号

 ◇藤田「家賃が払えない人、 学費が苦しい人は相談を」

 ◇森永「投資を勧めてこなかった 私が買ったのは...」

 ◇荻原「政府は水道、光熱、電話の 基本料金を無料化せよ!」

 世界は今、1929年の大恐慌以来の経済危機を迎えている。日本でも収入の急減や失業に遭い、日々の生活もままならなくなった人が大勢いる。我々は生活をどう維持し、立て直せばいいのか。お金のプロと生活困窮者支援のプロが新型コロナ時代の生活防衛術を大いに語る。

――政府は「1人当たり10万円」の現金給付を決めました。

荻原博子 所得制限なしで一律に給付すること自体は、評価できると思います。ただ、リーマン・ショックの直後のやり方と同じように自治体に丸投げするようなので、人々が給付金を受け取るのは、7月ごろになるのではないでしょうか。

 いくらなんでも遅すぎませんか。主要国の政府はとっくに現金給付を始め、米国は経済活動を再開しようとしています。すでに生活が困り切っている人だっているのに、日本はようやく給付を決めた。

藤田孝典 僕が理事を務めるNPO法人「ほっとプラス」(さいたま市見沼区)は、生活困窮者や社会的に弱い立場にある人を支援しています。相談件数は通常、年500件ほどですが、今は毎日、数十件の相談があります。新型コロナウイルスの影響でずいぶん増えました。

 一番多いのはお金に関する問題。仕事が減って家賃や学費を払えない人、日々の生活費が足りない人がいます。お金が足りないことがストレスになって家族の関係が悪化し、配偶者からDV(ドメスティックバイオレンス)を受けている人、親から虐待されている人がいる。「死にたい」という相談を実際に受けています。

荻原 生活が困窮している人向けに厚生労働省が「緊急小口資金」などの特例貸付を始めました。使い勝手はどうですか。

藤田 窓口になっている市区町村の社会福祉協議会によって、対応はまちまちです。早いところでは、申請の2日ぐらい後に振り込まれるようです。でもそれはごく一部で、多くはかなり時間がかかります。窓口が混み合ってなかなか申請できなかったり、そもそも相談を受け付け始めるのが5月以降だったりする自治体があるんです。

 ◇「みんなで東京を捨てよう!」

荻原 今のところ、政府の全家庭に向けた支援策は現金給付と1世帯当たり2枚の布マスクだけ。到底、十分ではありません。

 私はすぐにできて即効性が高い経済対策として、「政府によるライフラインの無料提供」を追加したらいいと思います。生きるために最低限必要な水道、電気、ガス、電話の料金のうち基本料金部分を、政府が6カ月間、肩代わりするのです。政府が水道光熱などの事業者に要請すれば、来月から請求を止められます。国民は手続きのために窓口に出向く必要はなく、感染するリスクも避けられます。

 国が払う費用は2兆1000億円ぐらい。「東京五輪・パラリンピックの経費は7000億円」と言っていたのが、3兆円に膨れ上がっても平気な国なんですから、無理な話ではないでしょう。ライフラインが保障されると、安心感が大きく改善されるはずです。

森永卓郎 それはよく分かるのですが、新型コロナの影響によって水道光熱費の支払いが困難になった人は、支払い期限を延ばせるようになっています。みんながもっと困っているのは、水道光熱費より家賃の支払いやローンの返済です。そっちを止めないと住む場所さえ失ってしまう。

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