最近、よその子どもの名前の読み方が分からず、戸惑う人も少なくないだろう。「キラキラネーム」という言葉も広まって久しい。ただ、ハイカラな名前は今に始まったことではないらしい。日本の「おなまえっ」をひもといてみると......。
「キラキラネーム」なる言葉を聞いたことがあるだろうか。例えば「騎士〈ないと〉」「爆羅騎〈ばらき〉」「羅王〈らお〉」「或叶〈あると〉」。外国語風の響きだったり、辞書にも載っていないような当て字で読んだりする名前だ。一方で一郎や茂、清、和子、明子など、なじみのある名前を「年寄り臭い」として「シワシワネーム」と呼ぶ人もいる。
良し悪(あ)しの基準は主観的な問題ゆえ、ひとまずは脇に置こう。ただ、名前が多様化する時代にあり、そもそも「姓名」のうち「名」、名前とは何か。まず言語学の観点で見ていこう。東京外国語大名誉教授の井上史雄氏が、こう話す。
「固有名詞は自由度によって階層化されます。一番自由度が低いのが地名です。法務局などで登記されて、一度決められたら変更が難しい。次に低いのは名字、姓や会社名、商品名。自由度が高いのは子どもの名前です。地名や姓、商品名は国や自治体、会社など複数の人間が意見を交わして決めます。名前は名付ける親が、自らの意思で決めることができます」
人名に使える漢字は常用漢字2136字に、人名用漢字863字を加えた2999字だ。読み方は法律による規制がない。そのため、日本人の名前は無限に増え続けることになる。それゆえ「名付けの自由」が波紋を呼ぶこともある。
1993年には、ある親が男児に「悪魔〈あくま〉」という名前で出生届を地元の役所に出したというニュースが耳目を集めた。「悪」「魔」ともに常用漢字である。手続き上の問題はない。だが、親権や命名権の乱用に当たるとして二転三転し、類似した音の名前が受理されることで収束した。
また、昨年は山梨県で「王子様〈おうじさま〉」という名の高校3年生の男子が、甲府家裁に改名を申し立てた。最終的に「肇〈はじめ〉」への変更が認められて話題を呼んだ。
「王子様」という名前の根底には、親の愛情が感じられなくはない。しかし、カラオケ店などで会員証を作るたびに偽名を疑われるなど、当人の苦労は推して知るべしだろう。「親になる人はよく考えてほしい」という本人のメッセージは、ある意味で名付けの本質を突いている。
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