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メルカリがJ1鹿島経営権取得 16億円「格安買収」の事情とは?

2019年8月18日号

 スポーツ界では新しい形態の買収劇といえるだろう。フリーマーケットアプリ大手のメルカリが、サッカーJ1の名門・鹿島の経営権を取得した。電撃的な発表は7月30日に行われ、日本製鉄とその子会社が保有していたクラブの株式72・5%のうち61・6%をメルカリが取得し、筆頭株主になった。関係者を驚かせたのは、株式譲渡の価格が約16億円と安かったこと。異例の買収劇のウラに、何があったのか。

 鹿島の2018年度の営業収益は約73億3000万円。J1で神戸、浦和に次ぐ3位。国内外で20のタイトルを獲得した実力面、さらには経営面でも、日本でトップクラスのクラブだ。親会社の日本製鉄も営業利益が2600億円を超える巨大企業だけに、これまでのような「買収」「身売り」とは異なる事情があったと考えるしかない。

 日本製鉄幹部によると、鹿島の経営権譲渡は以前から考えていたことだという。同社は住友金属工業時代からラグビーや社会人野球など企業スポーツに注力してきたとはいえ、本来は企業間取引が専門。ファン=消費者を相手にするメルカリがその知見をクラブ経営に生かせれば、一層の基盤強化も期待できる。会見で日本製鉄側は「プロスポーツはビジネスとして収益を上げるのが大事」と話している。

 ビジネスと見れば、ネットやAIなどの最新技術のノウハウを持っているIT企業の方が、クラブの世界的発展につながる可能性が大きい。

 ソフトバンク、楽天、DeNA、ミクシィ、サイバーエージェントなどのIT企業が次々にプロスポーツに参入してきた。今回の譲渡に「お得感」があるのは、日本製鉄側の「本拠地を変えずに地域密着を守る」との希望をメルカリ側が了承し、「金やアイデアは出すが、強化策には口を出さない」と応えたことが決め手といわれる。(水木圭)

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