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必読! 知らないと老後ビンボー 保険料免除商品も! 65歳からホントに必要な保険

2019年5月26日号

「人生100年時代」、長い老後をお金に困ることなく過ごしたい。老後ビンボーにならないようにするには、想定外の支出をコントロールすることが重要だ。保険を賢く活用することが有効な対策だという。注意点や保険を選ぶポイントの最新事情をお届けする。

 埼玉県の主婦、山本佳子さん(仮名、67)は昨夏、趣味のサークル活動中に大腿(だいたい)骨を折る大けがをしてしまった。
「1カ月以上も入院することになりました。思った以上に治りが遅く、骨折してから9カ月後の今も通院しています。退院した当初は歩くこともままならず、通院にタクシーを利用しました。想定外の支出がかさんで家計を圧迫しています」
 山本さんは入院してはじめて医療保険に入っていないことに気付き、ショックを受けた。
「夫が自分の医療保険と一緒に私の保険料も払っていると思い込んでいました。ところが、定年退職を機に保険を見直した際、私の医療保険を解約したというのです」
 夫を問い詰めると、「貯蓄があれば保険は要らない」という内容の雑誌記事に影響されたという。妻の保険はやめ、支出を切り詰めて老後資金を確保する狙いだったようだ。
 山本さんは入院中、がんを患う友人とばったり会い、予想外の出費がかさんだと聞いた。
「通院するための交通費が予想外に多くかかったほか、抗がん剤治療をしたら髪の毛が抜けて医療用ウィッグ(かつら)が必要になったと言っていました。友人はがん保険に入っていたため、診断給付金をもらえ、それでカバーできたそうです。正直言ってうらやましい。私も医療保険やがん保険に入りたいのですが、この年齢でも可能なのでしょうか」
 別のケースも紹介しよう。東京都の鈴木早智子さん(仮名、61)は3年前、乳がんと診断され、手術や抗がん剤治療、放射線治療を受けた。がん保険に加入していたため、ウィッグ代などに充てることができたという。しかし、鈴木さんは今、医療保険に入っていない。
「保険の契約期間が60歳までだったのです。この先、がんが再発したり、他の病気になったりしたら、と考えると心配です」
 高齢者は保険に加入できるのか。情報サイト「オールアバウト」の医療保険ガイドを担うファイナンシャルプランナー(FP)の松浦建二氏に聞いた。
「保険会社や商品によりますが、80歳まで加入できる医療保険やがん保険が増えています」
 気になるのは毎月あるいは毎年支払う保険料の金額だ。一般的に、保険に加入する年齢に比例して保険料は高くなるのだ。
「年金しか収入がなく、貯蓄がそれほど潤沢ではない場合、保険に加入することで得られる保障(病気やけがで治療すると受け取れる保険金)が保険料に見合うかどうかが重要です」(松浦氏)

 ◇がん経験者が入れる保険は高額

 保険は寿命が尽きる前に貯蓄が尽きないよう、想定外の支出をコントロールするためのものだ。保険料が高すぎて家計を圧迫しては、元も子もない。保険料の適正範囲については後述することにして、耳の痛い事実を明かしておこう。

 乳がんにかかった鈴木さんの場合、加入できる保険が制約される可能性が高い。松浦氏は「高齢のがん経験者は医療保険やがん保険に入ることが難しいと言わざるを得ません」と説明する。
 独立系FP会社「WINKS」の山田静江代表取締役は次のように指摘する。
「がんやその他の既往症がある人は、病気が完治して5年以上経過するまで通常の医療保険には加入できないのが普通です。40~50代で既往症がある人は、当面は『引き受け緩和型』という加入条件が緩い医療保険に入り、完治してから通常の保険に切り替える方法が考えられます」
 残念ながら引き受け緩和型は通常の医療保険より保険料が高い。とりわけ65歳以上の人だとかなり割高になる。保険は諦め、節約に励んで何にでも使える現金を増やすよう努めるのが現実的な対処法だろう。
 では、65歳以上の人にとって「必要な保険」を探ることにしよう。山田氏は最近、顧客の家計相談を受ける際、「保険は要らない」と聞く機会が増えたという。雑誌記事に感化された山本さんの夫と同じ「保険不要論」が広まっているらしい。
「資産が多い人、保険に入っていて十分な保障が期待できる人、治療費を肩代わりしてくれる子どもや親戚がいる人は、新たに保険に加入する必要はないかもしれません。ただ、それらに当てはまらず、病気やけがの心配がある方は保険に入ったほうが安心できると思います」
 保険にはさまざまなタイプがある。病気やけがに備えるには「医療保険」や「がん保険」▽介護が必要になった場合には「介護保険」▽加入者が亡くなった後、遺族の暮らしを経済的に支えるには「生命保険(死亡保障)」や「収入保障保険」。死亡保障はお金を遺(のこ)す相手を指定することで、円滑な遺産相続にも役立つ。つまり、保険は治療、介護、遺族の生活費といった目的別にお金を用意する手段といえる。
「用途を問わず使える現金と違い、保険に入っていれば確実にお金を残せます。また、支払った保険料より多額の保険金を手にできる場合も少なくありません」(山田氏)
 松浦氏は65歳以上の人で保険に全く入っていない場合、医療保険を検討すべきだとする。医療保険はがんを含む病気やけがをして、入院や手術をすると給付金が支給される。保障の範囲が広いのが特徴だ。
「医療保険の基本的な保障内容は、入院1日あたり5000~1万円程度の入院給付金、それに所定の手術をした場合、定額または入院給付金(日額)の10倍、20倍といった倍率を掛けて算出する手術給付金です」(松浦氏)

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