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がん・生活習慣病を撃退するいのちの食事/4 予防のための「長寿食」レシピ 朝・昼・夕の献立編

2018年9月 9日号

 ◇大反響特集・連載再開! がん患者が殺到する医院! 元京大医学部教授が伝授  

◇オムライス、つみれみぞれ鍋...  

大好評連載「がん制圧の法則」に続いて元京都大医学部教授の和田洋巳医師が「食による治療戦略」を語り尽くす新シリーズ。第4回はズバリ「長寿食」。健康に長生きするために、「予防」をテーマにしたレシピを紹介する。まずは、朝・昼・夕の献立から―。

 がんや生活習慣病を撃退し、健康長寿をもたらす「いのちの食事」。今回から始まる本編では、いのちの食事を以下の三つのケースに分け、それぞれ「朝・昼・夕の献立例」と「そのバリエーション」について、和田洋巳医師(75)の医学的解説を交えつつ、2回をワンセット(合計6回)にしてお届けしていきたい。
〈ケース1〉がんや生活習慣病を予防する「長寿食」
〈ケース2〉がんの再発を予防する「養生食」
〈ケース3〉勢いのある進行がんに劇的寛解(注1)をもたらす「治療食」
 このうち、ケース1は主に健康に長生きしたいと考える一般の人向け、ケース2は主にがん手術後の経過観察中の人向け、ケース3は主にがんが再発、転移してしまった人向け、の食事である。ただし、ケース2の養生食は生活習慣病を抱える人の体質改善にも効果があるほか、ケース3の治療食は抗がん剤治療が避けられない人の緊急準備食としても有効だという。

―本編の初回はケース1の「がんや生活習慣病を予防する『長寿食』」を取り上げますが、対象とされる「健康に長生きしたいと考える一般の人」とは?
和田 まず、ケース1の長寿食も、ケース2の養生食も、ケース3の治療食も、第1回(8月5日号)で紹介した「和田屋のごはん」(注2)の「大原則」と「8つの基本ルール」に沿ったものです。ただ、現時点でがんや生活習慣病にかかっていない「一般の人」が、例えば日々の食生活を治療食にまで改める必要はないでしょう。ならば、どのような食事に変えればいいのか。その際の参考になればと思い、今回は連載本編の特別版として「一般の人向けの長寿食」を考えてみたわけです。
―長寿食は養生食や治療食ほど厳格ではない、ということでしょうか。
和田 今回の長寿食と第8回、第9回で紹介予定の治療食は、メニューの厳格さという点で大きな違いがあります。一方、長寿食と第6回、第7回で紹介予定の養生食はそれほどには大きく違いませんが、15ページ以下に掲げた朝・昼・夕の献立例にもあるように、長寿食は一般の人にも違和感のない献立になっています。ただ、それでも昼食例の主菜として紹介したオムライスもそうですが、白米ご飯をサラダ油で炒めるのではなく、玄米ご飯をオリーブオイルで炒めるといった具合に、健康長寿を支える食材を使用しています。
―実は、ここ数カ月間、私も日々の食事を今回の長寿食に近い食事に変えてみたんです。すると、とくに運動量を増やしたわけでもないのに、体重が71キロから69・5キロへと1・5キロ落ちたほか、血圧も上が155ミリHgから145ミリHgへ、下が100ミリHgから90ミリHgへと、いずれも10ミリHg下がりました(注3)。禁煙こそまだできていませんが、正直、この数字の変化にはビックリです。
和田 血圧が下がった最大の要因は体重が落ちたからだと考えられますが、和田屋のごはんの食材には血圧を下げる健康成分も多く含まれています。ただ、森さんは大腸がん経験者でもあり、肥満もいまだ解消されていません。たばこも「百害あって一利なし」です。今後、森さんがたばこをキッパリとやめた上で、今回の長寿食に近い食事を続けていけば、大腸がんが再発したり新たながんにかかったりするリスクも大幅に減って、健康に長生きすることができるはずです。
―肝に銘じます(苦笑)。ただ、私も長寿食を実践してみてわかりましたが、例えばサラリーマンが今回の長寿食を朝・昼・夕の3食すべてで実践するのは難しいと感じました。
和田 私もそう思います。サラリーマンの場合、「昼は外食」という人も少なくないでしょう。理想を言えば、朝・昼・夕の3食とも長寿食を実践していただきたいところですが、現実的に無理であれば、例えば朝と夕の2食だけ長寿食にしてみる、という手も考えられます。あるいは、それも難しい場合は、例えば1週間のうちの半分、あるいは2日間、朝食と夕食を長寿食に変えるだけでも、それこそ数カ月も経(た)てば体重や血圧の改善など、大きな変化が表れるはずです。
―要は「心がけの問題」ということですね。
和田 先ほども言いましたが、今回の長寿食の対象となる一般の人は、がんや生活習慣病にかかっているわけではありません。がんや生活習慣病の発症予防や健康長寿のための長寿食は、がんの手術を受けて経過観察中の患者さんが再発予防のために実践する養生食、あるいは不幸にしてがんが再発、転移してしまった患者さんが実践する治療食とは、食生活を見直す目的の切実さや緊急性などの点で大きな違いがあります。したがって、一般の人が長寿食を実践する場合、現実的には「日々の食事にでき得る範囲で意識的に長寿食を取り入れていく」ということになるでしょう。
―サラリーマンの場合、夜の酒席で焼き鳥をつまんだり、昼の外食でカツ丼や牛丼を平らげたり......というのは、むしろ日常的ともいえる風景ですからね。
和田 前シリーズ「がん制圧の法則」の第2回(5月20日号)で詳しく解説しましたが、「肉類」は「高たんぱくチーズ」に次いで尿pH(注4)をがん細胞が好む酸性に傾けます。一方、野菜や果物(ジュースを含む)は尿pHをアルカリ性に戻しますから、例えば今日は肉類を食べすぎたなと思ったら、意識的に野菜や果物を多く取るように心がけるといいでしょう。あるいは、夜の酒席で焼き鳥をつまむ時には、併せて野菜サラダを注文する、というのもいいでしょう。ただ、その場合、お店のドレッシングにはサラダ油を使ったものも少なくありません。実は、私もそのような場合に備えて、アマニ油やえごま油を使った手製のドレッシングを容器に詰めていつも持ち歩いています(体にいい油については第1回=8月5日号を参照)。

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