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認知症 完全保存版 「保険」から「予防」まで全対策!

2018年7月29日号

 今や国民病となった認知症。2025年には高齢者の5人に1人、約700万人に達すると予測されている。誰もが無関係でないため、老後不安の最大の悩みともいえる。リスクや不安を軽減するために「保険」や「予防」の知識を身につけておきたい。

 ▼骨折にも一時金、要介護1で払い込み免除...契約者急増の認知症保険  

 ▼「社会脳」を鍛えて回復!

 78歳の認知症の母親(要介護2)を自宅で介護するアルバイトの男性Aさん(48)は嘆く。

「母を病院に連れて行く時、電車やバスだと歩き回ったり大きな声を出したりすることもあるためタクシーを使います。1往復で約5000円、月に2、3回受診するので1万円以上の出費です。週2回ヘルパーにも来てもらっていますが、それだけでは足りないので、私が仕事を休んで介護します。その分、収入も減ります」
 朝日生命保険の試算によると、同じ在宅介護でも、認知症でない人の介護費用は年間約52万円なのに対し、認知症では付き添いや見守りが必要となるため介護サービスの利用が増え、同110万円と倍以上に膨らむ。
「自宅介護が難しくなった場合、施設入所にかかる一時金や月々の費用をどこから出せばいいのか......」とAさんは頭を抱える。
 ファイナンシャルプランナー(FP)の畠中雅子さんは、こう話す。
「人生100年時代となり、頭に入れておきたいのは健康寿命を過ぎてからの生活費です。現役世代と異なり、ボーナスなどの臨時収入はなく、収入は年金だけになります。要介護状態や認知症になると自分の意思ではコントロールしづらいお金が出ていくので、貯蓄だけで介護費用を備えるには限界があります。保険など保障系の備えもあったほうが安心です」
 実際、認知症保険の販売が好調だ。他社に先駆けて2016年3月に発売された太陽生命保険の「ひまわり認知症治療保険」は、発売から2年あまりで35万件の契約数を誇るヒット商品となった。同社は比較的高齢の女性の顧客が多く、「認知症が心配」「子どもに迷惑をかけたくない」といった声が同商品の開発に結びついたという。
 公的介護保険の要介護認定を受けていなくても、アルツハイマー型認知症などで脳が変化して起こる「器質性認知症」と診断され、所定の状態が180日以上継続すると最大300万円の一時金が支払われる。保険期間は10年か終身を選択できる。
 認知症以外でも、骨折や、7大生活習慣病(心疾患や脳血管疾患など)に老人性白内障、子宮筋腫などの女性特有の病気もセットで保障されている守備範囲の広さが人気のようだ。
「糖尿病や高血圧、高脂血症など既往歴があっても加入しやすい引受基準緩和型であることや、保険金の請求時に『かけつけ隊』という専門知識を有する内勤職員を派遣し、診断書の代行取得や代筆などのサポートを行うサービスが好評です」(太陽生命広報)
 朝日生命保険は16年4月に「あんしん介護認知症保険」を発売。介護保険制度など公的な基準と連動し、所定の認知症かつ「要介護1」以上に認定されると給付が開始され、保険金は「年金」か「一時金」を選ぶことができる。両方をもらう契約も可能だ。
「要介護1に認定されると、以後の保険料払い込みが免除されます。認知症に特化して他の保障をそぎ落としているため、保険料が比較的安いのも特徴です」(朝日生命広報)
 セント・プラス少額短期保険が、製薬大手エーザイと共同開発したのが「認知症のささえ」。
「同社はすでに要介護2まで加入できる介護保険を扱っていましたが、要介護5の認定を受けてからでも加入できる、認知症に特化した『認知症診断一時金保険』を追加発売しました。給付金額は最高80万円ですが、その分、保険料も安い。90歳まで加入でき、100歳まで更新可能です」(畠中さん)
 医療保険などに付ける「特約」で認知症に備えることもできる。
 メットライフ生命保険は医療保険の「Flexi(フレキシイ) S」「Flexi Gold S」の特約として認知症を保障する一時金型の商品を追加した。契約してから180日間は保障の対象外になる待機期間があるものの、認知症と診断されたらすぐに一時金の給付が受けられるため、初期の治療費に充てることができる。
「メットライフ生命では、ティーペックという健康支援サービスを行う会社と提携し、さまざまなサービスを提供しています。介護でうつになった時の相談やセカンドオピニオンサービスなども受けられます」(同)
 せっかく保険に入っても、認知症になって判断能力が衰えてくると、保険金請求の意思表示が難しくなることも考えられる。FPの新美昌也さんは「指定代理請求特約」で、事前に代理人を指定しておくことを勧める。誰を指定するのがいいのだろうか。
「老老介護、認認介護になる可能性も想定すると、配偶者ではなく子を指定しておいた方が良いかもしれません。また、認知症保険に加入する時には自分の子や兄弟に知らせておくことを忘れないでください。いざ自分が認知症になった時に、加入していることを忘れてしまっていて、請求し忘れるケースも考えられます」

 

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