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税金をこう取り戻す! 「税金」「年金」ぼったくられ 不公平税制を糾せば社会保障費はある!  

2018年7月 8日号

 森友・加計(かけ)学園への税金を使った巨額な利益供与がうやむやにされるなか、2018年骨太の方針が閣議決定された。19年10月から消費税を10%にする姿勢を鮮明にし、医療や介護の社会保障費削減のメニューが発表された。「財源がない」に騙されてはいけない。

 ◇国民の悲鳴が聞こえないのか! 消費増税とダブルパンチの社会保障改悪

 6月に入り、国民健康保険料(税)や後期高齢者医療保険料、住民税、介護保険料などの税金や保険料の税額通知書が届いた。

 あらためて、こんなに税金を納めているのか、とため息が出る。これに、買い物をする度に8%の消費税を取られ、酒税や固定資産税、自動車税も払い......給料の3割以上をもっていかれている計算だ。
 6月10日。横殴りの雨が降りしきる中、国会前で行われた「安倍政権の退陣を要求する国会前行動」。デモ参加者からは次々と怨嗟(えんさ)の声がもれた。
「夕食のおかず1品を削って介護保険料を払っている。疑惑まみれの政権に1円だって納めたくない」(64歳の女性)
「確定申告で、『領収書や書類を棄(す)ててしまったけど経費として認めて』と言ったら通用するのか」(62歳の自営業男性)
 茨城県から来たという米山雅紀さん(76)は、こう怒りをぶちまけた。
「年金は切り下げられ、介護保険料や後期高齢者医療保険料は上がる一方で、健康は自分で守れ、病院へ行くなと言われる。財政が苦しいからと介護施設や病院から追い出し、自宅に帰れと言う。保険料を天引きしておきながらサービスを使わせないのは詐欺でしょう」
 政府が6月15日に決定した「骨太の方針2018」。消費税率を予定通り19年10月に10%へ引き上げることを鮮明にし、「防衛力を大幅に強化」と記述された。
 社会保障に関しては、歳出改革の重点分野として、19~21年度の3年間を「財政健全化」の「基盤強化期間」と位置づけ、負担増と給カットのメニューを示した(表)。
 医療費は原則1割の75歳以上の窓口負担の「見直し」、介護ケアプラン作成の有料化、介護軽度者の生活支援サービスの切り捨て......。
 これ以上負担増やサービスカットが続くと、人間らしい老後を送ることができない医療難民、介護難民が激増するであろう。
 政策の失敗によって作られたさまざまな困難や困窮が「自己責任」と片付けられるようになって久しい。これ以上、税金地獄に苦しめられないための方法はないのか。

 ◇勤労者に厳しく株長者にやさしい所得税 社長も労働者も一律10%の住民税

「財源がないから社会保障をカットする」と言われれば「しょうがない」と納得してしまいがち。だが、税理士らでつくる「不公平な税制をただす会」の浦野広明さん(税理士・立正大学法学部客員教授)はこう喝破する。

「大企業や富裕層が、能力に応じた税の負担をすれば社会保障の財源は生まれます。税は『応能負担原則(応能原則)』といって、負担能力に応じて納税するのが大原則。しかし今の税制は、所得が高くなるにつれて高い税率を課す累進課税機能を失っているのです。法の下の平等などを欠く憲法違反の税制なのです」
 この国の税制がどう歪(ゆが)んでいるのかをみていこう。
 豊かな人から応分の税金を集めて低所得の人に「再分配」するため、所得税の税率は段階的に高くなっている。現在、5%から45%まで7段階の税率があるが、所得税の負担率は合計所得1億円をピークに急激な下降線を描く。浦野さんはこう話す。
「かつては所得が8000万円を超えると最高税率の75%が適用されていましたが、今は課税所得4000万円超の人はいくら所得があっても45%以上の課税はされなくなりました」
 1億円稼いでいる人でも10億円もうけているスーパーリッチでも、45%で頭打ちなのだ。
 しかも、1億円以上の所得を得ている人は、働いた対価の給与所得ではなく、株式譲渡などによる資産からの収入が多い。しかし、株の売却益や配当金の税負担は一律20%(所得税15%、住民税5%)で、しかも「分離課税」のため他の所得とは別に計算される。
 汗水たらした勤労所得よりも株高の恩恵に浴した不労所得のほうが税率が大幅に低いことに納得できない人は多いだろう。
「所得再分配を機能させるには、株の売却益や配当金は他の収入と合わせて税金をかける『総合課税』にすべきなのです」(浦野さん)
 住民税も応能負担原則が崩れている。
「住民税の税率は、以前は所得に応じて5%、10%、13%の3段階あったのですが、2007年度から所得の高い人も低い人も一律10%(フラット化)に統一されました。給料が何億円もある社長も、年収300万円の社員も同じで、低所得者にとっては、それまでの5%が倍になっただけでなく、住民税をもとに計算する国民健康保険料や保育料などさまざまなところに波及して負担が増えました」(同)
 "第2の税金"と呼ばれる健康保険料や国民健康保険料など社会保険料も、高額所得者も低所得者も一律で、滞納者がものすごい数にのぼっている。

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