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春のライフプラン これが最強の「家計」大防衛術! 賃金も年金も上がらないのに...値上げ&増税全情報

2018年4月15日号

 新生活がスタートする4月、食料品から嗜好品まで家計を値上げラッシュが襲う。実質賃金は下がり続け、年金もカットされていくなか、介護保険料などはアップして可処分所得はどんどん減っていく。増税&値上げラッシュにどう備えればいいのか。

 ◇ビール、納豆、牛めしまで怒濤の値上げ

 春の歓迎会シーズンだが、居酒屋で「とりあえずビール!」の光景が変わるかもしれない。

 アサヒ、キリン、サントリー、サッポロのビール大手4社が相次いで、外食店向けの業務用ビール類を3~4月に値上げすると発表した。値上げは10年ぶりで、上げ幅はおよそ10%程度。値上げの理由として各社は、酒類の過度な安売りを規制する改正酒税法が昨年6月に施行されたことや、物流費の高騰などを挙げている。
 大手居酒屋の「養老乃瀧(たき)」は4月10日から中・大ジョッキのビールを1杯20円(税抜)引き上げる。
「おかめ納豆」で知られる納豆メーカー最大手のタカノフーズは4月から5月にかけ、27年ぶりに主力納豆10種類の出荷価格を10~20%引き上げる。その他の値上げは次ページの表の通り。
 4月の電気料金は、大手電力10社ともに値上げ。東京電力は1月から4カ月連続で累計143円アップ。沖縄電力は同じく267円の値上がりだ。
「電気料金の値上がりは、原油やLNG(液化天然ガス)、石炭の価格変動に連動します。昨年11月から今年1月にかけて原料価格が高騰したため、4月の電気料金が押し上げられているのです」(エネチェンジ広報の中田都季子さん)
 加えて、うなぎ登りに上がっているのが「再エネ発電促進賦課金」だ。太陽光や風力で発電した電気を電力会社が買い取る費用が消費者に転嫁されている。
「2012年に導入された当時は、標準家庭で年間800円程度だった賦課金が、17年度には約9500円に上がっています。4月からも10%程度上がることが発表されており、標準世帯で年間1万円を超えることになります」(同)
 効率よく節約する方法は電力会社を切り替えることだ、と中田さんは言う。
「エネチェンジの電力比較サイトなどで電力会社を比較し、キャンペーン実施時期にあわせて切り替えれば、電気代約1カ月分の節約につなげることも可能です」
 値段は据え置きのまま、中身を減量する"ステルス値上げ"も広がっている。森永乳業は3月1日出荷分から「クリープ」6品目のうち、5品目で容量を減らす実質値上げ。明治は、ヨーグルト2商品の容量を現行の450グラムから400グラムに減らす一方、価格は約10円下げる。亀田製菓は4月9日出荷分から、「ハッピーターン」など6商品の内容量を10%減らす。「米菓の主原料の国産米が、昨年比で1キロ当たり4割ほど上昇していることと、物流コストや人件費の上昇でコスト吸収が難しいため」(広報)という。
 波状攻撃のように家計を襲う値上げに、どう対処すればいいか。ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんはこうアドバイス。
「『クーポンおじさん、クーポンおばさん』になることをオススメします。コンビニやレストラン、居酒屋などで使えるクーポンは、みみっちいとかセコイとか思わずに、日常生活に積極的にとり入れ、ゲーム感覚で楽しみましょう」
 ランチをいつものチェーン店で食べ、100円クーポンを提示して割り引いてもらうことを習慣化すると――。
「今、大手銀行の定期預金に1年間預けた場合の金利は0・01%程度。100円の収益を得るということは、今や100万円を定期預金に1年間預けるのと同額(実際には約20%の税金が課せられるため80円)です。1年じっと待って得られる利息を、たった1回のランチでゲットできるのです。365日続けば金利は3・65%。高利回りなうえ、ノーリスクです」(深野さん)
 深野さん自身、定食の「大戸屋」のスタンプを集めているという。
「15個ためると1000円までの定食がタダになります。街中に預金金利が落ちてないか、常に目を凝らす。拾うか拾わないかは自分次第です」
 金券ショップも使い倒そう。「飛行機や新幹線のチケット、映画の前売り券、ビール、お米券など金券ショップにこまめに顔を出すとお得に手に入ります」(同)

 ◇介護保険料平均6000円超、後期高齢医療の軽減も縮小

 医療費や介護費も家計を圧迫する。

 介護保険制度がスタートした2000年当時、65歳以上の介護保険料は全国月平均2911円だった。3年に一度の改定ごとに上がり続けてきたが、この4月の改定で6192円に。
 介護サービスの利用が増えて給付費が増加したことや、事業者に支払う報酬が4月から0・54%引き上げられるためだ。4月からの保険料が最も高いのは大阪市で7927円。月額6758円だった保険料が1000円以上の値上がりだ。
 75歳以上が加入する後期高齢者医療保険制度の保険料も、多くの自治体でアップする。比較的所得の低い人や、74歳まで会社員や公務員の扶養家族だった人向けの特例的な軽減措置が廃止・縮小されるためだ。
「年金額が据え置かれたなかで、天引きされる後期高齢者医療保険料や介護保険料の負担が増え、高齢者の暮らしを直撃します」(全日本年金者組合の金子民夫委員長)
 介護保険料は原則、年金から天引きされるが、年金受給額が年18万円未満の低所得者などは、自分で納付する普通徴収となる。普通徴収で請求される保険料の支払い期限は原則2年。これを過ぎると時効となり、滞納分を支払うことができない。社会保障制度に詳しい立教大コミュニティ福祉学部の芝田英昭教授はこう話す。
「未納がある高齢者が介護保険サービスを受けようとした場合、未納期間に応じて、自己負担割合が1割から3割へと引き上げられるペナルティーがあります。保険料を払えない人にサービス給付はないという考え方は、社会保障の原理を逸脱しています」
 そもそも滞納するほど生活が苦しい人が要介護状態になって、3割の自己負担分が払えるわけがない。
「支払えないような保険料の設定に問題があります。保険料や利用料の値上げをしない制度にするには、国や自治体の公費負担割合を大幅に増やすしかありません。国庫負担割合は現行25%程度ですが、少なくとも10~20%アップすべきです」(芝田さん)
 4月から「改正介護保険法」が施行され(表参照)、介護を巡る状況はますます厳しくなりそうだ。
 大きな柱は訪問介護(ホームヘルプ)で料理や掃除などを手伝う「生活援助」の利用回数を事実上"制限"する仕組みが盛り込まれたことと、訪問介護や通所介護(デイサービス)などで利用者の生活機能改善に取り組んだ事業所に、月々の報酬を増やすインセンティブ付与の仕組みが導入されたことだ。利用者にはどんな影響が及ぶのだろうか。
「生活援助を受けることで、何とか生活を成り立たせている独居や認知症の高齢者がたくさんいます。利用が制限されると、要介護度が進行したり、孤立を深めかねません。また、インセンティブ、つまり報奨金欲しさから、改善の可能性の低い利用者を排除する事業所が出てくる恐れもあります。介護保険を使わせない施策は、地域に大量の"介護難民"を生み出すだけです」(同)
 8月には、自己負担割合が「3割」になる人が出てくる。年収が単身で340万円(年金収入のみなら344万円)以上、夫婦世帯で463万円以上の利用者で、対象は約12万人、介護サービス利用者の約3%にあたる。大企業の会社員も継続して総報酬割が導入され、介護保険料がアップする。
 私たちはどう対処すればいいのだろう。都内のケアマネジャーはこう話す。
「年金額が据え置かれるなか、1割の自己負担も"苦しい"とサービスを削る家庭が増えています。介護保険サービスとは別に、各市区町村の独自財源で、配食サービスや紙おむつの購入費の一部助成をしているところもあるので、そうしたサービスを利用すれば介護費用の節約になります」
 介護度が下げられるなど不服がある場合は、区分変更申請したり、ケアマネジャーを変更することもできる。今後は、"待ち"の姿勢でなく、自分で情報を取りにいく姿勢がサービスカットへの対抗策となる。

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