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健康を取り返す寝具見直し術 頭痛、肩凝り、腰痛にバイバイ

2018年4月 1日号

病院の検査では異常がないのに、一向に良くならない体の症状には、思わぬことが原因になっている場合がある。見落とされやすいのが「寝具」。自分に合っていないと、腰痛や肩凝り、頭痛などを引き起こす。体に負担をかけない寝具選びのポイントを紹介する。

「朝、目が覚めた時点で腰痛や肩凝りなどを感じるようなら、寝具が合っていない可能性が高い」
 こう指摘するのは、寝具がもたらす体の影響に詳しい「16号整形外科」(相模原市)院長の山田朱織(しゅおり)医師。寝具が合っていないことで、睡眠中に何が起きているのか。その元凶となるのが「スムーズに寝返りが打てないこと」だという。
「寝返りは人間にとって必要な生理現象で、大切な役割をしています。一つは、血液、リンパ液、関節液などの体液循環を促すこと。体液中の疲労物質などが滞れば痛みの原因になります。また、日中の姿勢で歪(ゆが)んだ背骨やストレスのかかった筋肉をリセットする役割もある。それに寝返りが少ないと体に熱がこもるので、それを防ぐ体温調節もしているのです」
 これらの寝返り効果によって、本来であれば睡眠中に心身の疲れが癒やされ、朝はスッキリ目覚められるはず。ところが、寝具が合っていないと寝返りが阻害されてしまい、逆に疲れが蓄積して、腰痛、肩凝り、頭痛、寝違え、疲労感、不眠などの原因になる場合があるのだ。
 関節痛などの患者に寝具の重要性を説いている「はにゅう整形外科」(埼玉県越谷市)院長の羽生亮医師もこう話す。
「もともと基礎疾患がある人でも、寝ている時の姿勢が悪いと症状を悪化させてしまう。腰痛や首のヘルニアなどの持病がある人こそ、良い姿勢で寝られる寝具が重要になるのです」
 通常であれば、健康な成人は一晩で平均20回以上寝返りを打つとされている。ただし、回数が多ければいいというわけではない。大切なのは、1回の寝返りがどれだけスムーズにできるかどうか。その睡眠姿勢を保つ寝具選びのポイントは主に五つ挙げられる。

 ◇間違わない寝具選びのポイント5

 (1)枕の高さ

 寝具の見直しで、山田医師が最も重視するのは「枕」だ。高さが合っていないと寝返りしにくいだけでなく、首周囲の筋肉の緊張が取れないので、肩凝りや寝違えの原因になる。その状態が毎晩続けば、頭痛の7~8割を占める緊張型頭痛の原因にもなるという。
「適正な枕の高さは体格によって異なります。基本的には、横向きに寝て首から腰の中心ラインが直線になる高さ。そして、あおむけに寝て喉や首筋に圧迫感がなく、後頭部から肩にかけて力が抜けている状態になることが大切です。すると、首が上がる角度がだいたい15度くらいになるはずです」(山田医師)=上の図
 朝起きて、枕の下に手を入れている、枕を肩下に引き込んでいる、枕から頭が落ちている、といった状態なら、枕が合っていない証拠。寝返りをじゃましている可能性が高いので、きちんと見直したほうがいい。
「枕を使わないほうが眠れるという人やうつぶせ寝をする人は、本当に自分に合った枕と出合えていないのです。適した枕を使うことで、睡眠の質が全然違ってきます。それに頭の高さを保つことは高齢者の場合、睡眠中に唾液が誤って気管に入り込みにくくなるので誤嚥(ごえん)性肺炎の予防にもなります」(羽生医師)

 (2)枕の硬さ

 枕の硬さも重要になる。中身には羽毛、プラスチック、そば殻、ストローチップ、低反発、ビーズなどさまざまな素材があるが、軟らかいものや厚みが均一でないものは要注意。適した枕の高さを一晩中維持できないと意味がないからだ。そうなると市販の枕選びもおのずと限られてくる。
「高さが保てる枕が見つからない」という人は、山田医師が考案した自家製の「玄関マット枕」を作ってみるといい。用意するものは「玄関マット」(約60センチ×90センチ×厚み1~1・5センチ)、毛足が短い「タオルケット」、数枚の「バスタオル」。作り方は簡単。折りたたんだ玄関マットを土台にし、その上に折りたたんだタオルケットを重ねる。そして、バスタオルで自分に合った高さを微調整すればいい。首に当たる部分が直角になるようにキッチリそろえて重ねるのがポイントだ。

 (3)敷物(ベッドマットレス、敷布団)

 山田医師は、寝返りを減らしている原因の7割は合っていない枕にあるとしているが、では敷物はどうか。自分に合った高さや硬さの枕に変えても、左の表に挙げた状態に該当するような場合には、敷物が合っていない可能性があるという。
 もちろん敷物の適度な硬さは体重が影響するので人によって異なり、素材や厚みによっても寝返りのしやすさが違ってくる。敷物を選ぶ際は、必ず実際に寝てみて寝返りのしやすさを確認するべきだ。
「敷物で寝返りに影響しやすいのは、ベッドマットレスが汗で劣化して腰の当たる部分がへこんでいるケースです。ベッドパッドや敷パッドを上に重ねても解決できません。ですからベッドマットレスは3カ月に1回は天地替えや裏表を替えるようにして、局所的な劣化をなるべく防ぐよう心がけてください」(山田医師)
 敷物の幅も十分にないと寝返りに影響する。特に注意したいのは、夫婦で同じベッドで寝ている場合だ。日本人男性の平均的な肩幅をおよそ50センチとすると、1人ならよほどの肥満でなければシングルサイズ(幅97センチ)で十分。しかし、2人でダブルサイズ(幅140センチ)に寝ていたら狭すぎる。最低でも1人分は、シングルサイズ程度の広さを確保するようにしよう。

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