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昭和の日本人の住まい方を記録 「西山夘三のすまい採集帖」好評

2017年10月 8日号

 東京・銀座の隣町、京橋にあるLIXIL(リクシル)ギャラリーは「建築とデザインとその周辺」を巡り、独自の視点でテーマを発掘してきた。住宅設備機器を手掛ける企業ならではの、コンパクトながら魅力的な展示が続く。現在開催中の「超絶記録! 西山夘三(うぞう)のすまい採集帖」も、その例に漏れない。
 西山夘三(1911~94)は、日本の"すまい研究"を牽引(けんいん)してきた建築学者。徹底した住み方調査を通して、膨大なスケッチや図版、写真を残した。同展では、西山の収集した住まいの記録と、中学生時代からの漫画作品、記録魔ぶりを窺(うかが)わせる日記など約90点の資料を展示。西山すまい学の一端と、彼の多彩な魅力を浮かび上がらせている。
 長方形の会場の3面の壁には、漫画から年代順に作品が並ぶ。A4判の複製で、壁を大きな画板のように見立てて、3~4枚ずつバネ式のクリップで留められている。観覧者は傍らの解説を読みながら、それをめくっていく。西山の世界を身近に感じられる展示法だ。
 漫画家を目指したほどの画力と、優れた観察眼を持ち合わせた西山の手描きの絵は、正確・緻密でありながら、どこか風通しの良いユーモアが漂う。しかし西山の一番の特徴は、鳥瞰(ちょうかん)アングルだ。ここに掲載したのは、その代表的な例「舟ずまい」のスケッチ(上)。舟の狭い空間に詰め込まれた生活を、真上から余すところなく捉えている。
 住まい方がひと目でわかるようにと、工夫した結果の技法なのだろう。しかし記録としての実用性とともに、絵本のような楽しさも感じさせる。
 会場中央のガラスケースには漫画や日記、写真などの実物が展示されている。日記や調査データの、手書き極小文字は、記録魔ぶりを語るかのようだ。
 西山の功績とともに、人柄も偲(しの)ばせる展示には、ついつい見入ってしまう。
(小出和明)

11月25日まで。入場無料 HP=http://www1.lixil.co.jp/gallery/

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