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安全なのか、危険なのか!漢方の疑問 すべてに答えます

2017年10月 8日号

安全なのか、危険なのか! 漢方の疑問 すべてに答えます

 漢方業界が揺れている。きっかけは先ごろ発売された『週刊新潮』が、副作用で死者が出た事例を挙げ、国内の漢方薬処方に疑問を呈したことだ。だが、適正に使えば患者に大きなメリットがあるのは事実。副作用の実態を含め、漢方の正しい知識を改めてお伝えする。

『週刊新潮』9月14日、21日号では、日本で処方される漢方薬について大きく二つの問題点を挙げている。一つは、国内最大の漢方製剤メーカーである「ツムラ」が、本場中国から伝わってきた伝統医学(中医学)を歪(ゆが)めて日本独自の「漢方」を広めたとする点だ。記事では、本来は中国のように一人一人の患者に対して生薬を「さじ加減」したオーダーメードの漢方薬を作るべきなのに、ツムラは自社が普及させたエキス製剤(既製品)に健康保険が適用されるように働きかけ、"風邪には葛根湯(かっこんとう)"などと処方や手法を「マニュアル化」したと指摘している。それによって〈漢方に詳しくなく、漢方薬に使われる生薬の働きや副作用について理解しないまま処方している医師がそこらじゅうに存在する〉とある。
 もう一つは、そのようなマニュアル化された処方のあり方が一因で甚大な健康被害が起きた、とする。厚生省(当時)が1996年、緊急安全性情報で「小柴胡湯(しょうさいことう)の副作用で10人死亡」と発表したことを記憶している人もいるだろう。漢方薬の安全神話が崩壊したとして、「小柴胡湯事件」といわれている。『週刊新潮』の記事では小柴胡湯を〈間質性肺炎で41人の命を奪った薬〉として取り上げ、そのほかの漢方薬の副作用事例も多数紹介している。
 記事を受け、漢方製剤メーカーの問い合わせ窓口には、副作用を心配する声が多く寄せられているという。日本漢方生薬製剤協会のホームページでは9月15日、製剤メーカー66社連名による「漢方製剤等における副作用について」という文書が掲載された。〈全ての医薬品には副作用のリスクは存在します〉の一文から始まり、副作用情報への取り組みなどが記載され、混乱を収束させようとする動きがうかがえる。
 漢方薬は本当に"危険"なのか。本誌では、読者が抱くであろう不安に即しながら、さまざまな疑問について検証してみたい。

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