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悟りの境地に少し近づけそうなお寺で味わう「暗闇ごはん」体験

2017年7月30日号

「忙しい現代人は食事をしながらも、ついつい他のことを考えてしまう。朝ごはんを食べながらも『9時までに会社に行かなきゃ』『会議の資料作らなきゃ』という具合に。では、しっかりと食事と向き合うには、どうしたらいいだろうと考えたんです」
 こう語るのは青江覚峰(かくほう)さん。東京・浅草で400年続くお寺、湯島山緑泉寺の14代目住職だ。
「暗闇の中だったらどうだろう? 人は視覚を奪われると不安感を抱きます。それゆえに真剣に料理に触り、匂いを嗅ぎ、食べて味わう。そこで初めて、一所懸命に食事を取るという体験ができるのでは......と」
 こうして生まれたのが「暗闇ごはん」というイベントだ。参加者はアイマスクを装着し、明かりを落とした薄暗闇の会場へ導かれる。暗中模索で緊張気味の参加者を簡単なゲームでほぐし、場が和んだところで、料理が一品ずつ運ばれてくる。
 恐る恐る食卓を手探りし、器を見つけたら、指先で中身を確認する。最初は手でつまめる料理を出すことが多いという。指にちょっとつけて舐(な)めてみるが、対象が見えないと、にわかには何を食べているのか判別がつかない。たしかに、真剣に食事と向かい合わざるを得ない。
「お寺なので精進料理が基本ですが、あえて鰹(かつお)だしや肉類を使って、その違いを味わっていただくこともあります」
 鶏そぼろと、高野豆腐を使った"そぼろもどき"の差異を、舌に全神経を集中させて味わい分けるのだ。
「食事という極めて日常的な行為と一所懸命に向き合う。その体験が仕事や人間関係といった、他の日常とも一所懸命に向き合うきっかけになればと思うのです」
 僧職以外にも料理家としてマルチに活動する青江さん。今月からは監修に関わった漫画『サチのお寺ごはん』の実写版ドラマも放映される。不定期開催、約2時間。参加費3500円。
(小出和明)

開催日はFB(https://www.facebook.com/KAKUHOAOE/)で随時告知

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