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青春の甘酸っぱさとドキドキ感 「キンチョウ」ラジオCMの魅力

2017年7月 9日号

 傑作CMの発信基地――。
「キンチョウの夏、日本の夏」のナレーションは、昭和の夏の風物詩ともいえる正統派CMコピーだった。その一方で「ルーチョンキ!」「ハエハエ・カカカ」といったナンセンスなフレーズを流行(はや)らせた作品も多い。
 ちあきなおみと美川憲一らによる「タンスにゴン」、山瀬まみによる「キンチョウリキッド」のピンクのカッパなどは、シュール感覚CMのパイオニアといえる。蚊取り線香と殺虫剤の大日本除虫菊株式会社は、古風な商品と社名とは裏腹に、先進的でユニークなCMを作り続けている。
 そんな中、昨年から流れている、ラジオCMの「金鳥少年」シリーズは、異色さが際立つ傑作だ。中学生男女の会話のみというシンプルな構成。しかし、その内容の"危うさ"に、グイグイ惹(ひ)きつけられてしまう。
 純朴そうな大沢くんと、どこか妖しげな高山さん。大沢くんは、高山さんに恋心を抱いているようだ。しかし不器用な大沢くんは、思わせぶりな高山さんの言動に翻弄(ほんろう)される......というのが基本設定。そこに恋のライバルらしき少年や、気になる噂(うわさ)が入り込んできて、大沢くんのココロは千々に乱れる。「この先どうなるの!?」と、目が(耳が?)離せなくなる。この間に、商品名も効能もしっかり織り込まれている。
「夏にはノスタルジーが似合うのでは?」と、誰にとっても懐かしいであろう年ごろを背景に選んだ。プロではなく、リアルな"声変わり前"感のある少年を起用。あえて音楽を入れず、息遣いや間を大切にした。いわば"覗(のぞ)き見"しているようなドキドキ感を狙ったという。関西風の抑揚も効果的だ。
 その思惑は見事に的中。宮藤官九郎らが記事で取り上げ、SNSでも話題となっている。同社サイトで昨年分も聴取可能。聴けばハマること請け合いのKINCHOワールドだ。
(小出和明)聴取サイト=http://www.kincho.co.jp/cm/radio/

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