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「初夏の旬」カツオの不漁が深刻 「漁師いなくなる」と漁協は悲鳴

2017年6月18日号

初夏の旬の味といえば、手ごろな値段で楽しめるカツオ。だが、そのカツオが太平洋沿岸で深刻な不漁に見舞われている。和歌山県では主要3漁港(すさみ・串本・田辺)の昨年の漁獲量はピーク時(2000年)の10分の1に減り、今年もさらに減りそうだ。
 引き縄を使う「ケンケン漁」で知られるすさみ町では、4月のケンケンかつお祭りの日に水揚げがなく、冷凍物の使用を余儀なくされた。和歌山南漁協は「漁に出て1匹も捕れずに戻る船もある。このままでは漁師もいなくなる」と悲壮感が漂う。
 豪快な一本釣りで知られる高知県をはじめ、宮崎県や三重県でも激減している。
「カツオが捕れずにビンチョウマグロでつないでいるが、大赤字で漁期を早く切り上げる船が増え、漁場の情報交換もできない」(一本釣り漁船を統括する全国近海かつお・まぐろ漁業協会)
 農水省によると、カツオの国内漁獲量は4年連続で減り続け、昨年は20万8000トンで前年(24万8300トン)から大きく落ち込み、最盛期だった1984年(44万6300トン)の半分にも満たない。
 春になると太平洋側を北上するカツオの生態はよく分かっていないが、激減の原因は水温変化などの自然現象ではなく、乱獲だという。近年、中西部太平洋でインドネシア、台湾、韓国などの大型の巻き網漁船が急増したようだ。
 20年以上前からカツオ資源の枯渇を警告する茨城大人文学部の二平章客員研究員がこう訴える。
「北上の4ルート中、最も西寄りの黒潮ルートで激減し、高知、和歌山、三重などが深刻です。現在、中西部太平洋での各国の総漁獲量は200万トンにもなる。水産庁は今もカツオ資源は潤沢と考えているようだが、規制を強めて100万トンほどに減らす国際的な合意を急ぐべきです」
「だし」の需要も大きいカツオの資源枯渇は、和食の根幹も揺さぶる。
(粟野仁雄)

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