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近世以前の日本文化の扉を開く 古文書解読入門の最新鋭ツール

2017年5月28日号

 ここ数年、刀剣に興味を持つ若者が増えている。名刀を擬人化したゲームをきっかけに自分で詳しく調べ始め、博物館や資料館巡りを楽しんでいるという。
 こうした探訪の中で古文書に興味を広げる人も少なくないらしく、それらを読み解くための入門書も、昨年あたりから出版が相次いでいる。中でもユニークなのが『アプリで学ぶくずし字』=写真=だ。文字通り、スマホの学習支援アプリの解説本である。
 古文書といえば思い浮かぶのが、ニョロニョロと続けて書かれた「くずし字」だ。平仮名は、元になった漢字が複数あることがあり、くずすための字画の省略の仕方も、何通りもある。
 また、漢字には現在一般的な楷書体の他に草書体・行書体などの書体があり、それらがさらに省略されて、バリエーションが生まれた。統一された平仮名と漢字しか知らない現代人が、古文書を読み解けないゆえんである。
 本書で取り上げているアプリ「KuLA(クーラ)」では平仮名約100種類、古文書に頻出する漢字約270字を紹介し、その由来と変化を学ぶことができる。テストが用意されていて学習成果を確かめられ、例文を読み解いていく実践学習に進むこともできる。
 本書はこうした機能の解説のほか、関連書籍やウェブサイト、他のアプリなども紹介しており、さらに奥深く踏み込むためのヒントを与えてくれる。教育者・学習者の興味深い体験手記などの読み物も豊富で"勉強"の堅苦しさを忘れさせてくれる。
 昨今、スマホやパソコンのアプリは直感的に使えるものが多く、"取説要らず"が当たり前になっている。だが本書は決して「蛇足」ではない。"わかりやすさ"に流されないように、ところどころに楽しい堰(せき)を設けてくれる。アプリと取説の理想的な関係として、珍しい好例ではないだろうか。
(小出和明) 飯倉洋一編、笠間書院、864円(税込み)

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