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色と形と手触りにインクの匂い 電子書籍では味わえない本の姿

2017年2月26日号

 東京都文京区といえば、日本の最高学府・東京大学の所在地。江戸時代には幕府の教育機関・湯島聖堂と昌平坂学問所があった。そして明治期には夏目漱石、森鴎外、坪内逍遥、樋口一葉らの文人が居を構えた。「文(ふみ)の京(みやこ)」とも読め、文教地区ともイメージが重なるために名付けられたという。
 現在では出版・印刷業が集まる区として知られ、出版では講談社、印刷では凸版印刷という大手が拠点を構える。そのトッパン小石川ビルの一角にあるのが「印刷博物館」だ。印刷の歴史と文化を伝える施設には、ぴったりの立地だろう。
 天井の高い、広々としたエントランスの奥、博物館併設のギャラリーでは「世界のブックデザイン2015─16」が開催中(3月5日まで)だ。毎年3月にライプツィヒ・ブックフェアで公開される、「世界で最も美しい本コンクール」の受賞図書とともに、日本・ドイツ・オランダ・オーストリア・カナダ・中国の6カ国のコンクールで入賞した、優れたデザインの書籍約180点が展示されている。
 書籍の多くは手に取って触れることができる。読者の視線で色・形・ページのめくり心地・本文のレイアウトなどを検証できるのだ。日本の本はもちろん、海外の本でも絵本や美術書なら、その内容も味わえる。
 展示書に添えられた解説にはタイトル・著者・出版国などの他、印刷・製本のデータも記載されている。専門用語が多いが、綴(と)じ方の差は興味深い。近年、画集などに増えている、背表紙がなくて真っ平らに開ける綴じ方は、「かがり綴じ」ということを知った。
 同じ漢字文化を持ちながら、現代中国の本は基本的に横書きだということにも、改めて気づかされた。日本以外にも、縦書き主流の国はあるのだろうか? 知的好奇心をくすぐられる。
(小出和明)

同展は入場無料。博物館は大人300円。公式サイトはhttp://www.printing-museum.org/

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