くらし・健康詳細

News Navi
loading...

「格安オプジーボ」は実現するか 東大ベンチャーが米大手と研究

2017年1月 1日号

患者1人当たり年間約3500万円かかるとされる新型がん治療薬「オプジーボ」。保険財政への影響が懸念され、2017年2月から半額に緊急値下げされるが、高額なのは変わらない。そんな中、東京大学発の創薬ベンチャー企業が、いわば「格安オプジーボ」ともいえる新薬の開発を米国企業と進めている。
 その名も「ペプチドリーム」。本社を東大駒場キャンパス(目黒区)に置く東証1部上場企業。同社は、小さいたんぱく質「ペプチド」(アミノ酸化合物)の特殊加工技術を持つ。独自技術を駆使して、オプジーボと同じ「第4のがん治療」という分野を目指している。「第4」とは、外科手術、放射線治療、化学療法(抗がん剤)に続く4番目の「がん免疫療法」のこと。
 近年の研究で、がんとは、体内の免疫ががん細胞を攻撃しないようブレーキをかけていることが分かってきた。オプジーボに代表される「免疫チェックポイント阻害療法」では、そのブレーキを解除し、人間の免疫が正常にがん細胞を攻撃できるようにする仕組みを使う。自らの免疫に頼るため、高い治療効果が期待でき、副作用が少ないとされる。
 ただ、オプジーボは分子量が多い「高分子医薬」といわれ、構造が非常に複雑で、大量生産が難しい。これに対し、ペプチドリームは、高分子より単純な構造のペプチドを使うため、より安く、より大量に薬が作れるという。
 ペプチドリームと新薬の共同開発を進めるのが米製薬大手、ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMS)。オプジーボも、BMSが小野薬品工業とともに創薬したものだ。「格安オプジーボ」の研究は、16年6月に臨床試験(第1相)に入り、17年にも第2相に入る予定。続く第3相でも好結果が得られれば、「20年前後には上市(販売開始)できる」(ペプチドリーム関係者)見込みだ。
 ベンチャーの夢(ドリーム)は叶(かな)うか。
(谷口健)

政治・社会

くらし・健康

国際

スポーツ・芸能

対談

  • 艶もたけなわ

    田中麗奈 女優

    2018年5月20日号

    阿木燿子の艶もたけなわ/202   清涼飲料水のCMで初代イメージキャラクターを務め...

コラム