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覆面ベストセラーが全国に拡大中 反響続々「文庫X」のアピール力

2016年11月27日号

 本を選ぶ時の指標は著者、タイトル、書評や友人・知人の評価などが一般的だろう。表紙のデザインに一目惚(ぼ)れ、というケースもある。ところが、そうした情報がすべて封印された本が、なぜか売れている。「文庫X」(810円、税込み)だ。手書きの文章が書かれた紙でカバーされ、ビニールでパックされている。
 文章は、この本の仕掛け人である、さわや書店フェザン店(岩手県盛岡市)の長江貴士さんによる推薦の辞だ。そこから読み取れるのは、内容がノンフィクションであることと、500ページを超えるということくらい。にもかかわらず、7月21日の発売以来、3700冊以上を売り上げ、さらに部数を伸ばしているという。
 このアイデアはどのようにして生まれたのだろうか?
「目隠しして売ろうと思いついて本を選んだのではありません。6月にこの本を読んで、物凄(すご)い作品だと思った。どうしたらこの本を売れるかと考えた結果です」(長江さん)
 先に中身があっての発想だったというのだ。
「ノンフィクションを売るのは難しい。でも、この本は普段その分野を読まない人にも、ぜひ読んでほしかった。そこでタイトルや表紙を全部隠すことで"難しそう""守備範囲外"という先入観を排除できればと思ったんです」
 初回に仕入れた60冊は5日で売り切れ。以降、各メディアで注目され、1日平均50冊が売れ続けている。現在は全国に取扱店を拡大。筆者も東京の大型書店の店頭で見かけ、思わず買ってしまった。それほど本書のルックスとカバーの文章のアピール力は強い。「この形でなければ買わなかった」「この本と出会えてよかった」という声が全国から届くという。
「でも、これほど売れて話題になったのは、結局、中身の本の力だと思っています」
 もちろん、長江さんの熱意と戦略の勝利でもあることは間違いない。
(小出和明)

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