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「いざ震災」使える防災グッズ 銀座女将が勧める足袋とわらじ

2016年10月 9日号

 大震災が起きた時、まず重要なのは足元、すなわち履物だという。女性の場合、ヒール靴を履いていると、瓦礫(がれき)やガラスの散乱で歩くのも難しくなる。いざ有事の際に帰宅困難者にならずに済むよう、東京・銀座の和装店の女将(おかみ)がこんな助言をしている。
「昔ながらの手縫いの足袋は、しっかりした底が付いていて強く、ズック代わりになる。軽くてかさばらないから、バッグにでも入れておいて、履き替えればいい」
「銀座いせよし」の千谷美恵さん。明治元年創業の老舗呉服店「伊勢由」に生まれ、米国留学後にシティバンクへ。銀座支店長に抜擢(ばつてき)されたが、日本文化への思慕を深め、家業継承を決心。衰退する業界の復興のため、新しい可能性を開こうと独立・起業した。
 足袋の効用は自身の体験で実証済みだ。足袋のみならずわらじも履いて出羽三山など霊山への登拝を繰り返し、古人の知恵の妙味を体感した。
「とにかく足元が軽い。指で土をつかむ感触が心地いいし、岩場でも滑りにくい。道なき道の難路を歩き続けるから、わらじは最後にはほつれますが、足袋は3日間履き続けてもビクともしない。足袋だけでもかなりいけますよ」
 これを震災対策として活用しない手はない。むろん、防護力の点ではトレッキングシューズのような厚底靴にはかなわない。しかし、女性たちが普段から厚底靴というわけにはいくまい。また、震災時の避難所生活ともなれば、夜中の余震に備えて、靴を履いたまま寝るのが望ましいが、厚底靴では寝づらい。
 携帯・就寝用の実用的な履物として、足袋・わらじが大いに役に立つというわけだ。わらじは特に被災地への緊急支援物資として靴に代わりうると、千谷さんは思う。
「靴はサイズと男女別を仕分けする必要があるからなにかと手間と時間がかかってしまう。わらじだったら、ほとんど区別の必要がなく、それだけ支援がスピーディーになるのではないでしょうか」
 女将のこまやかな発想が被災者を守る。
(山崎博史)

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