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視野360度で味わう「仮想体験」 「最先端VR」が広げる可能性

2016年8月14日号

バーチャルリアリティー(VR)用のゴーグル。前部にスマートフォンをセットし、専用アプリで動画や画像を再生する。画面は2分割されており、画角が微妙にずらされている。それを、2枚のレンズを通して見るという仕組みだ。
 ここまでなら、かつて観光地の土産物として売られていた、立体スライドビュアーと変わりない。だが今は時代が違う。スマホのジャイロセンサー機能を利用して、左右に首を振れば画面内の左右が見え、見上げれば空を、見下ろせば地面が見えるようになっている。360度を見渡すVR空間を体験できるのだ。
 それでいて、段ボール製の組み立て式ゆえに値段は1200円前後という手軽さ。製品名の「ハコスコ」は"箱型スコープ"という意味だろう。
 こうしたゴーグル型ディスプレーは、以前からDVDプレーヤーに接続して使用するものが売られていたが、「視野360度」には対応していなかった。それが一昨年あたりから、本格的なVRゴーグルが登場し始め、主な製品が出そろう今年は「VR元年」とも呼ばれている。
「ハコスコ」のコンテンツは、さまざまなプロモーションや、ユーザーからの投稿で構成されている。専用アプリのリストには、ルノワールの絵画の中に入り込める国立新美術館発信のものや、プライベートな街歩き動画など、多彩なコンテンツが並ぶ。
 直近の注目作は「軍艦島3Dプロジェクト」だ。あの廃虚の島の空撮映像で、まるで自分がドローンになったような、滑らかでダイナミックな眺めが楽しめる。
 一方、「熊本地震災害支援」では、崩壊した熊本城や街並み、避難所の中に投げ込まれる。がれきの中で立ち尽くす被災者の心情がしのばれ、支援への思いが新たになる。こうした訴え方もあるのかと、VRの可能性を感じた。
 大人には"モンスター探し"より、ずっと面白い。
(小出和明)

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