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毛髪の持つ「運命」で薄毛退治 再生医療応用した「新増毛法」

2016年7月31日号

 ショーン・コネリー、竹中直人......「カッコいいハゲ」もあるにはあるが、薄毛はやはり男性の代表的な悩み。そんなオトコたちにとって"朗報"になるかもしれない。
「理化学研究所」や「京セラ」が、少量の頭皮から1本の毛髪を100~1000本に増やす「新増毛法」の研究開発を始めた。既にネズミを使った実験では成功しており、2020年の実用化を目指す。
 この増毛法は「毛包(もうほう)器官再生」と呼ばれ、手術で後頭部の頭皮を切り出し、幹細胞を培養して増やす。その幹細胞から毛を作る器官である毛包のモト(原基)を量産して、毛の薄い前頭部などに移植する。培養に3週間程度かかるが、一度移植すれば薄毛に戻りにくくなる利点がある。
 そもそも男性の薄毛は、医学的には「男性型脱毛症(AGA)」と呼ばれ、髪の毛がうぶ毛に代わって徐々に細くなる。遺伝が関係するとされ、国内に2400万人の"患者"がいるという。毛髪の再生医療を研究する理研の辻孝チームリーダーは、これを"運命"と表現する。「まゆ毛はまゆ毛、頭髪は頭髪、うぶ毛はうぶ毛。今の生物学をもってしても『毛の運命』を変えることはできません」。新増毛法は、薄毛になりにくい後頭部の髪の「運命」を利用する方法なのである。
「通常の髪の毛と同じように周辺組織と接合するので、通常の毛と変わることはありませんし、毛が抜けて生え変わりもあります」(辻氏)
 気になる費用は、保険が適用されない自由診療になる予定だが、「生産工程も決まっていないため、(治療費は)未定」(京セラ担当者)という。
 京大の山中伸弥教授がiPS細胞でノーベル賞を受賞して以来、国は再生医療に力を入れる。今回の毛髪の再生医療も例外ではなく、同様の研究を資生堂も始めている。
 悩めるオトコたちには、東京五輪より「4年後」が待ち遠しいかもしれない。
(谷口健)

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