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旧東ドイツ時代の実話を映画化 ブレイクダンスと社会主義国家

2016年6月26日号

 ドイツ映画「ブレイク☆ビーターズ」が楽しく、面白い。
 スクリーンでは若者たちが終始ブレイクダンスを競っていて、見ている観客も一緒にリズムを取りたくなるからだ。それもなんと、社会主義国・旧東ドイツの工業都市、デッサウが舞台なのだ。
 1985年、街の映画館に米国の「ビート・ストリート」がかかった。この映画はニューヨークのサウスブロンクスで路上ダンスに熱中する若者たちのドラマ。自由なスタイルで軽妙に踊る姿に、デッサウの若者たちも圧倒され、虜(とりこ)になる。
 19歳のフランクはスポーツ協会で体操を習い、"社会主義的人格"の発達を目指している。それがダンスの魅力に取りつかれ、家の内外でダンスの練習ばかり。協会には体操の元五輪選手だった女の子がいて、そのステキな彼女も一緒に仲間4人で「ブレイク・ビーターズ」のチームを作り、路上で跳んだりはねたり。
 ブレイクダンスは、元はストリートギャングの争いで、暴力の代わりにダンスを競って非暴力的に決着をつけたのが始まりとされている。
 それが社会主義下でどのように変えられたか?
 東ドイツでは、悪名高い国家保安省(シユタージ)が各地に監視の目を張り巡らせていた。フランクたちも「資本主義の腐敗に毒されている」と国家警察に取り調べられたりする。
 しかし、フランクは「これは虐げられた貧困層のダンスで、反資本主義者の団結を踊りで表現したものだ」とけむに巻く。これには笑ってしまうが、敵もさる者。政府の「娯楽芸術委員会」はダンスの"社会主義化"を図ろうと、個人の踊りを集団の踊りに変え、「アクロバティック・ショーダンス」と改名する。さあ、これにフランクたちがどう応じたかが見どころとなる。
 映画は実話に基づく。ヤン・マルティン・シャルフ監督は、映画で伝えたかったことをこう述べている。「若い人は『やりたいことがあったらやろう』ってことだ」と。
(木下昌明)

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