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熊本地震復旧"縁の下の力持ち" "商売敵"の石油と電力がタッグ

2016年5月29日号

 自然の猛威を世に知らしめた熊本地震。日常生活の基盤となるエネルギーの供給を巡っても、都市ガスの復旧が地震発生から半月もかかるなどインフラの脆弱(ぜいじやく)さを露呈した。
 こうした中、普段は"商売敵"のはずの石油、電力の両業界が"休戦協定"を結び、協力して被災地にエネルギーを供給し続けている事実はほとんど知られていない。
 甚大な被害を受けた南阿蘇村では、九州電力が発電設備を備えた電源車を緊急配備したが、頼みの電源車も燃料がないと電気を供給できない。このため、資源エネルギー庁の指導も踏まえ、石油元売りと全国の石油組合で構成する全石連、九電がミニローリーやドラム缶で軽油を電源車に給油することを決めた。
 普段は電力会社の「オール電化」攻勢や原発再稼働による石油需要の急減で、石油、電力業界は「犬猿の仲」だ。しかしエネ庁は、石油備蓄法改正により元売りにあらかじめ提出させていた「災害時石油供給連携計画」を、今回の地震で初めて活用した。
「東日本大震災の反省をふまえ、今回は初動が早かった」(エネ庁関係者)
 異業種間の協力体制は、こうした流れの中で生まれた。
 ところが、停電やガスの不通などを報じるニュースは枚挙にいとまがないが、こうした生活基盤の復旧と安定のための地道な取り組みはほとんど報じられていない。
 例えば、石油業界は南阿蘇村だけでなく、電気が寸断された被災地の病院や公共施設にも自家発電や電源車で使う燃料を運んでいる。自治体が把握していない避難先への燃料供給も今後の課題で、「縁の下の力持ち」的存在だ。
 石油業界といえば、需給調整と価格競争に明け暮れ、消費者の顔を見ないまま商売を続けてきた面は確かにある。だが、電気やガスが寸断される災害時には「最後の砦(とりで)」にもなる。「資源のない国」の住人としては知っておくべきだろう。
(上川裕治)

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