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荻原博子が指南 知らないとヤバイ!隠れ貧困 8大大防衛術

2016年5月29日号

 一見、何不自由ない生活を送っているようにみえるが、将来、貧困に陥る可能性がある「予備軍」を「隠れ貧困」と名付けたのは経済ジャーナリストの荻原博子さん。隠れ貧困を放置していると下流老人や老後破綻につながりかねない、と警告を発する。今すぐ打つべき手や対策を聞いた。

 ◇2020年以降は「大不況」を覚悟せよ!

 年収1000万円といえばサラリーマンの夢。しかし1000万円プレーヤーこそ「隠れ貧困」の可能性があるのだという。
 2015年の金融広報中央委員会の調査で、「貯蓄ゼロ」世帯の割合を年収別にみると、年収750万円以上1000万円未満で11・2%、1000万円以上1200万円未満で13・5%、1200万円以上では11・8%。1000万円プレーヤーの1割に貯金がないのだ。
 収入が少ないから貯金ができないのは分かるが、高給取りなのに貯金ができないのはなぜか。荻原さんはこう分析する。
「バブル時代の"浮かれ癖"からまだ抜けきっていない人が多いからです。今の50代前後の人たちが社会人になったのは1985年から90年ごろで、ヴィトンやシャネルといったブランド品を買いあさり、高級ホテルやレストランを多用し、就職も売り手市場でした。現在は年収700万~800万円、あるいはそれ以上になっているサラリーマンも少なくありません。その人たちの感覚は、家や車は『持っていて当たり前』で、消費好きで海外旅行にもバンバン行く。でも内実は住宅ローンや教育費で青息吐息なのです」
 荻原さんによると、東京オリンピックが開催される2020年までは日本の景気は横ばい、あるいは良い状況で推移していくが、五輪後は無理な金融政策のほころびが表れ、大不況がやってくることを覚悟しておく必要があるという。
「黒田バズーカは完全に失敗といっていいでしょう。金融緩和というカンフル剤に偏った結果、需要は喚起できず、結局デフレは続いたまま。トリクルダウン(滴り落ち)で庶民も潤うと喧伝(けんでん)されましたが、むしろ貧富の格差が拡大しました。個人ができる防衛策は、粛々と『守りに徹する』こと。大不況がやってくる前に強い家計の下地を作っておくことが重要です。今、家計を引き締めれば、隠れ貧困→老後破綻の道を避けられます」
 具体的にどんな対策をとればいいのか。シニア世代にも役にたつ「隠れ貧困」脱出の鉄則をみていこう。

 ◆鉄則(1) 給料は「もう上がらない」という自覚を持つ

「今の不況を乗り切れば、また給料は右肩上がりになる」「自分は下流老人にならない」と、根拠のない自信を持っていないだろうか。こうした楽観的考え方をする傾向が強いのが、荻原さんによると先のバブル世代だという。
「まず、覚悟を決めてください。これから景気が良くなるとか、給料が増えることはありえません。それを心に刻むところからスタートする必要があります」
 給料が上がらない原因は、経済がグローバル化したこと、「会社は株主のもの」に転換したことが背景にある。会社に利益が出ても株主と内部留保に回され、損が出たらコスト削減を迫られる。
「社員は利益を稼ぐためのツール(道具)となり、業務改善のために減給やリストラが当然のように行われるようになりました。当面、こうした構造が変わることはないでしょう。さらに、厚生年金保険料や健康保険料、介護保険料などの社会保険料負担はどんどん重くなり、手取り収入は少なくなっていきます。『収入は今後増えない』と諦める。『なんとかなる』時代は終わり『なんとかする』時代に入ったと覚悟を決めましょう」
 隠れ貧困が多いバブル世代がお手本にすべきなのが10代、20代の若者たちだという。
「彼らはブランド品や高価なものを欲しがりませんし、『自分にご褒美』もめったにあげない。『足るを知る』『自然体で生きる』ことを生まれながら身につけています。バブル世代は贅沢(ぜいたく)に慣れた生活を見直し、年収が低くてもその範囲内で堅実に暮らせるような価値観に転換することが、隠れ貧困予防の第一歩です」

 ◆鉄則(2) 50歳でプラスマイナス「ゼロ」を目指す

 人生には大きな出費がある時期が三回あるという。第一の山は「住宅ローン」。第二の山は「教育費」。そして第三が「老後資金」だ。

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