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エジプト革命直後に起きた震災被災地へエール送る5年後の春

2016年4月 3日号
 エジプトから東日本大震災の被災地にエールを送る合唱の集いがカイロで開かれ、日本にゆかりのある人々が「花は咲く」「上を向いて歩こう」などを日本語で披露、ハーモニー豊かな熱唱を繰り広げて「心の復興」を祈った。
 2011年2月11日、エジプトでは「アラブの春」と呼ばれる民主革命の嵐の中でムバラク大統領(当時)が辞任、国内各地に広がった騒乱で約1000人が死亡するなど多大な犠牲者が出た。その1カ月後に日本で震災が発生し、エジプトでは二つの悲劇を重ねる人々が少なくない。
 今年、ともに発生から5年を数えることから在エジプト日本大使館が合唱の集いを企画。3月10日、会場のオペラハウスに約500人が集まった。最初に大震災のDVDを上映して犠牲者に黙とうを捧げた後、クラシック歌手、日本語を専攻する大学生、日本人学校の生徒らのグループが次々とステージに上がった。
 参加者の一人で、当時出張中の東京で震災を経験したミニヤ県のフセイン・ザナティ氏は、「第二次世界大戦の惨状を克服した日本は、必ずまたこの震災を乗り越えて復興する。エジプト人はそう信じているし、世界中の人たちも見守っています」と話した。
 集いの様子はDVDに録画しており、近く被災地に届けられる予定。
 岩手県陸前高田市の紺野文彰さん(65)は、エジプトで通訳ガイドとして働いているさなかに革命に遭遇。ふるさとの陸前高田に戻った途端、震災に見舞われ、今も仮設住宅で暮らし続ける身だ。
 集いには友人や知人も参加しており、「5年たったからもういいのでは、と思われがちですが、逆なんです。復興を待ち続けることに疲れてしまい、国内では忘れられかねない状況。そんな時に、はるか彼方のエジプトから心のこもった支援をいただき、ものすごくありがたい」と語る。
 海を越えた絆は今も脈打っている。
(山崎博史)

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