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「電力自由化」競争過熱 高齢者への契約勧誘

2016年4月 3日号
 電気の小売業者を自由に選べる「電力自由化」が4月から始まる。市場参入を狙う各社の顧客獲得競争も激しさを増しているようだ。
「東京ガスグループの営業マンが、私の留守中に高齢の母親と契約を結んでしまったんです。不審に思って申込書を取り寄せると、住所氏名、電話番号ばかりか署名欄まで母の字じゃなかったんです。これって文書偽造ですよね」
 都内在住の主婦はこう憤る。
 主婦によると、営業マンは応対した母親(85)に「これからはガスと電気が一緒になる」「これは決まったことです」などと説明、書類を代筆したという。制服姿の営業マンの言葉を高齢の母親が信じたとしても無理からぬことだ。
 電力自由化を巡っては既に約200社の事業者が登録、広告で「お得さ」を強調する。携帯電話やLPガス、ガソリンやケーブルテレビなどのサービスとセットにして電気料金の割安を謳(うた)う。
 だが、どのプランが最適なのか、料金や割引額がなかなか正確に把握しづらいのも確かだろう。そうした状況下、電力自由化に乗じた訪問販売に関する苦情が増えている。
 国民生活センターによると、「省エネに役立つブレーカーと交換する、と工事契約を結ばされそうになった」「太陽光発電システムを付けて売電すれば儲(もう)かる」など、昨年末時点で110件だった苦情が、今年に入って以降、既に360件を超えているという。
 冒頭の主婦の苦情に、東京ガスは「勧誘では丁寧な説明と了解を得ることを徹底しているが、ご高齢のお客様だったので『よかれ』と思って代筆したようです。署名欄まで記入したのは行き過ぎで反省しています」(広報担当者)。元々は主婦と面談の約束を取り付けていたが、不在だったため代わりに応対した母親と契約したという。「娘さんが留守とわかった時点で出直すべきでした」(同)
 結局、契約は解除されたが、"だまし討ち"のような顧客獲得があってはならない。
(田口嘉孝)

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