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福岡伸一が手がける「読書講座」

2016年3月 6日号
 生物学者の福岡伸一氏は「動的平衡」という独自の視点から生命の営みを見つめ直し、その思考の成り立ちを綴(つづ)った『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)は、理系の本としては異例の80万部を超えるベストセラーとなった。
 その要因は、福岡氏の理論の面白さはもちろんだが、まるで文学者の随筆のように柔軟な、主題の周縁の描き方に負う部分も多いだろう。留学したニューヨークの情景、野口英世の意外な一面、下っ端研究者の悲哀などを織り込みながら、読者を自然に生物学の世界に引き込んでゆく。
 その文章力は、『福岡ハカセの本棚』(メディアファクトリー新書)などから垣間見える幅広い読書体験によって培われたことは間違いない。それも単に読んだだけではなく、十分に消化し、自分の血肉とし新たな読書体験につなげていく姿勢があればこそだ。
 この読書の達人が、ウェブ上で「知恵の学校」という読書講座を開講した。内容は、自らの読書遍歴と実体験を絡めて語る単独講義、日本を代表する知識人、文化人らと語らう対談講義の2本立て。後者ではそれぞれの知恵者たちから、自著の読みどころ、最も言いたかったことを聞き出す。
 どちらも知的贅沢(ぜいたく)感たっぷりだが、特に対談講義の講師陣がすごい。養老孟司、内田樹、隈研吾、阿川佐和子......と各分野のトップが顔を揃(そろ)える。受講者はその模様をネット上で聴講できるほか、生の講義にも出席できる。
 受講者は、これら1年間12回の講義(テキスト配布6回)を経て、修了試験を受け、"プロの読者"ともいえる「ブックマイスター」を目指す。その活動については、今後さまざまな展開が考えられている。本好きなら、興味をそそられずにはいられない。
 学費は年1万円(税別)。講義への出席、修了試験受験には別途費用が必要。第1期募集は3月末まで。
(小出和明)

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