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マイナス金利に負けない家計防衛術全情報

2016年3月 6日号
 日本銀行は2月16日、日本の金融政策史上、初めてとなる「マイナス金利」を実施した。銀行預金の金利引き下げなど、暮らしへの影響が心配されている。アホノミクスから家計を守るにはどのような方策が考えられるのか。専門家に詳しく教えてもらった。

 パート主婦の鈴木伸子さん(仮名・50歳)は訴える。
「景気は良くなっていると聞くけれど、私の周囲でそれを実感する人はいない。おまけにマイナス金利なんて訳のわからないことが始まったら、家計はどうなるのか。不安でたまらない」
 多くの人が鈴木さんと同じように感じているはずだ。そもそもマイナス金利政策とはどんなもので、暮らしにどう影響するのか。
「マイナス金利政策は、銀行などの金融機関が日本銀行に預けている当座預金の一部にマイナスの金利を付けるというものです」
 投資情報会社グローバルリンクアドバイザーズの代表取締役社長の戸松信博氏はそう説明する。当座預金のうち、金融機関が日銀に預け入れなければならない最低金額(所要準備額=約9兆円)などについては、これまで通りゼロ金利が適用される。
 また、2015年1月から12月の平均残高(基礎残高=約210兆円)までの部分は、これも従来通り0・1%のプラスの金利が付く。今後、異次元の金融緩和で増える分(マクロ加算残高)にもゼロ金利が適用される見通しだ。0・1%のマイナス金利が付くのは、これらを上回る部分(政策金利残高=15年2月末時点で約10兆円程度)だ。
「マイナス金利が付く部分は、預けていると手数料を取られる形になるため、日銀に預けていたお金を企業や個人に貸し出し、経済が活性化することが期待されています。ただし、当座預金の一部ですから、経済全体へのインパクトは大きくはないでしょう」(戸松氏)

 ◇「年金保険」は早めに検討開始

 では、家計へのインパクトはどうか。戸松氏は「住宅ローン金利が下がるなど家計にはプラスの影響もある」と話す。また、「現時点では預貯金にマイナス金利が付与されることは考えにくい」とも言う。実施したら取り付け騒ぎが起き、金融機関の経営に打撃を与えることになるからだ。
 ファイナンシャルリサーチ代表でFP(ファイナンシャルプランナー)の深野康彦氏は「家計への影響という意味では、今すぐ行動を起こしたほうがいいことと、動向を見極めてから動いてもいいものがある」と指摘する。
「保険会社の中には、契約者に約束通りの利回りを確保することが難しくなっているため、一時払い終身保険や年金保険など、貯蓄性のある保険を販売停止にするところが出てきています。もちろん、不要な保険に入る必要はありませんが、加入を検討しているのなら早いほうがいいかもしれません」(深野氏)
 また深野氏によると、01年3月に日銀がゼロ金利政策を導入した際に「何が起きたかを振り返ること」が大切だともいう。
「当時は普通預金金利が0・001%、定期預金金利が0・025%まで下がった。ただし、当時は今とは異なり、長期金利はマイナスにはなっていません。そう考えると今回は普通預金、定期預金とも金利が史上最低を更新する可能性もあります。家計防衛を考えるなら、少しでも金利の高い金融商品を保有する必要があるでしょう」(同)

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