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対策設備投資はしたくても... 歯科医が気をもむ「院内感染」

2015年9月 6日号
 歯科医療機関での「院内感染」が改めてクローズアップされている。
 治療台の歯科ユニットに装着されている給水系の水が、レジオネラ菌やカンジダ菌などの細菌に汚染され、日和見病原体になるというのだ。日和見感染は病気などで免疫力が低下している時などに、さまざまな病気を発症する。
 なぜ、衛生的なはずの水が汚染されるのか。水道水に微量に含まれる細菌が給水系の管内に残ってしまい、水道水に備わる殺菌能力の減少に伴って細菌が増殖。菌類の温床であるバイオフィルムを形成してしまうためという。
 昨年、ある県の調査結果として、国立感染症研究所がショッキングなデータを公表した。歯を削るドリル部分を回転させる柄の部分(ハンドピース)を患者ごとに交換せず、使い回している歯科医療機関が7割に上ったという。口腔(こうこう)内の唾液や血液がハンドピース内に逆流入することがあり、減菌しないまま次の患者に使用すれば、前の患者の汚染物がそのまま噴射されるおそれがあるという。
 針刺し事故や抜歯時の血液・唾液への接触などによって、歯科医院も院内感染の危険にさらされているのは確か。だが、「これまでに歯科の院内感染で入院した患者がいるという話は聞いたことがない」(私大歯学部名誉教授)といい、院内感染に対する意識の低さが先の調査結果に反映されたともいえそうだ。
「200万円かけて殺菌能力を高める新しい機械を導入した。院内感染を防止するためには仕方がない」
 そうボヤくのは、東京近郊の歯科医院長。患者ごとに交換するため、1本20万円のハンドピースも追加購入したばかり。歯科業界も競争激化で経営が圧迫される状態が続く中、さらなる投資は痛い。院内感染対策にも診療報酬は認められているものの、低く抑えられたままだ。対策をとれば他施設との差別化が図れるとはいえ、全国7万近い小規模診療所には何とも頭の痛い夏ではある。
(田口嘉孝)

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