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命を救った地域の絆を作った新聞奨学生

2015年7月19日号
 新聞奨学生の配達員が、独り暮らしのお年寄りの命を救った。"異変"を察知できたのは、日ごろのコミュニケーションのおかげだった。
 東京都練馬区の「毎日新聞石神井公園・大泉学園販売所」(岩崎富弘所長)で働く栗野和希(くりのかずき)さん(26)=国学院大2年=は朝刊を配達していた4月16日午前4時ごろ、管内のアパートに住む男性宅のポストに前日の新聞が入ったままなのに気付いた。
「おかしいな」と思ったが、「外出中かもしれない」と思い直し、配達を続けた。だが、「もしかしたら」との不安は消えず、200軒分を配り終えた後、再びアパートを訪ねた。2日分の新聞がポストにささったままだった。
 栗野さんが「何かあったのかも」と思ったのには理由がある。実は前月の集金の際、男性から「最近、体調が悪いからポストに新聞がたまっていたら警察に通報してほしい」と頼まれていた。独り暮らしの男性は70歳くらい、小柄でやせ形。「前に会った時より元気がなかったので気になっていた」(栗野さん)。
 所長に報告し、一緒に男性の部屋を訪れてドアを叩(たた)いて呼びかけた。だが返事はない。石神井署に通報し、同署から連絡を受けた消防署員が駆け付けたところ、男性が室内で倒れていた。病院に搬送された男性は脳卒中と診断されたものの、一命を取り留めた。脳疾患は早期発見が命の分かれ目だ。栗野さんの機転が男性の命を救ったとして、石神井消防署は6月18日、栗野さんに感謝状を贈った。
 8年前、学費を工面しながら大学に通えると新聞奨学生になった栗野さん。大学では地域政策・地域福祉を学ぶ。新聞配達では「おしゃべりをしたり、ごみ出しを手伝ったり」するなど高齢者との交流を楽しんでいる。栗野さんは言う。「独り暮らしのお年寄りは多い。地域ぐるみの支援が欠かせないと思います」
(金澤匠)

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