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次の巨大地震は「いつ、どこに」 マンション力が生死を分ける

2015年6月21日号
 最大震度5強を記録した5月30日の小笠原諸島西方沖の地震。各地で高層階につながるエレベーターが停止した。六本木ヒルズ(東京都港区)で52階の展望フロアに100人以上が取り残されたほか、東京都庁(同新宿区)では45階の展望室につながる専用エレベーター2台が停止して約250人が、横浜ランドマークタワー(横浜市)の69階展望台でも約160人が取り残された。首都圏を中心に約1万9000台が緊急停止し、東京、神奈川、埼玉、茨城各都県の計14台では一時、かごの中に人が閉じ込められた。
 東京都防災会議は首都直下地震で最悪の場合、都内だけでも古いエレベーターなど、閉じ込めにつながる停止が7473台に及ぶと想定。国は、全国で約3万台が停止するとしている。
 これには多くのマンションのエレベーターも含まれる。東日本大震災で実際に被災した宮城県内のマンションを保有する不動産会社の担当者が振り返る。
「エレベーターの停止はウチの物件でも幾つか発生しました。中には震災翌日の午前まで十数時間閉じ込められた住人もいました」
 通常時の故障なら30分以内に駆けつける保守管理業者も、次々とエレベーターが停止した震災時にはそうはいかなかったというのだ。マンション管理士の男性がささやく。
「警察や消防、管理会社も震災時にはすぐに助けに来られない可能性が高い。東京五輪を見据えて東京湾岸のタワー型マンション建設が活況ですが、私なら3階以下にしか住みません」
 例えば50階の超高層タワー型マンションでは、男性の足でも階段で地上に下りるまで40~50分かかる。ライフラインの面では地上に受水槽がある場合、停電しても水圧だけで3階までは給水できることが多いが、それ以上の階では完全に断水する恐れがあるのだ。不動産コンサルタントを手掛ける「さくら事務所」(本社・東京都渋谷区)のコンサルタント、土屋輝之氏もこう話す。
「40~50階から階段で行き来はできない。また、余震を考えれば、高層の住民は1~2階の共用スペースに仮住まいするしかありません。正に"マンション内帰宅難民"ですよ」
 東日本大震災後、古いエレベーターをリニューアルするマンションが増えている。製造大手の三菱電機では、2010年に約2500台だった受注数が、15年分は約5000台と倍増している。
「法改正やバブル期に建てられたマンションがリニューアルする時期ということもありますが、お客様の安全・安心への要求が高まっています」(同社広報部)

 ◇カネが絡んで意見がまとまらず

 マンション住民の防災意識が高まっていることは事実だ。マンション防災のコンサルティングを請け負う「つなぐネットコミュニケーションズ」(同千代田区)への相談件数は震災後、約3倍に増えた。
 それでも、大規模改修や耐震補強となると、所有者の考えはまとまりづらい。「澁澤建築・診断事務所」(同中央区)の澁澤徹社長が証言する。

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