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100歳腸寿フローラを手に入れろ

2015年4月26日号

「腸内フローラ」が俄然注目され始めた。2月に放映されたNHKスペシャルがきっかけなのだが、本誌は一昨年以来、腸の「凄さ」を先んじて報じ「腸寿のススメ」を説いてきた。「21世紀は腸内細菌の時代」とも言われる。100年を生きるためには腸内フローラに関心を持ち、いたわることが欠かせない。研究最前線とケア法を紹介したい。

 ◆「次世代シークエンサー」が解明したお腹の中の小宇宙

「フローラ」。なんと美しくポップな響きだろう。私たちのお腹(なか)の中にいる腸内細菌を顕微鏡で見ると、細菌群は群生する草花に似ていることから、お花畑を意味する「腸内フローラ(腸内細菌叢(そう))」あるいは「マイクロバイオーム」と呼ばれる。
 腸内細菌は腸内におよそ1000種類、100兆個も棲(す)んでいるとされ、実にヒトの細胞(約60兆個、最近は37兆個という説もある)を上回り、重さにすると約1キロもある。「実質的な臓器」であり「お腹の中の小宇宙」とも言われるゆえんだ。
 お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんは無菌状態だが、産道を通る時に接触した細菌や、その後、口や鼻から入った菌が腸内にたどり着き、少しずつ棲み着いていく。その膨大な数の細菌が、ひとつのまとまりをなし、私たちの身体の生体機能をコントロールしているのだ。東京大の服部正平教授(情報生命科学)はこう話す。
「腸内細菌叢は、食事成分からビタミンなどの栄養素を作るほか、感染症から身を守るなど、ヒトの健康維持に欠かせないパートナーです。健康や病気に及ぼす影響についても、世界中から報告が相次いでいます」
 1960年代、腸内細菌は培養法で研究されていた。だが腸内細菌の大半は酸素を嫌う嫌気性のため培養できる菌は限られる。そこで、どの微生物でも持つ16Sという遺伝子に着目した「16S解析」が用いられるようになった。
「腸内細菌をDNAレベルで解析できるようになり、より多くの菌がいることが分かるようになりました。しかし、その菌がどんな働きをしているのかまでは分からなかった。そこで現れたのが『シークエンサー』(遺伝子配列解読装置)でした」(服部教授、以下同)
 2003年に解読完了が宣言されたヒトゲノムと同じように、腸内細菌叢の遺伝子を片っ端から調べ上げる方法がメタゲノム解析だ。メタゲノム解析をするシークエンサーという強力な助っ人の登場によって、ヒトの腸内フローラの全体像が浮かび上がってきたのだ。
「ブラックボックスだった腸内細菌叢の全容が見えてきたことで、従来の善玉菌や悪玉菌といった分け方の枠に収まらない働きが解明されてきました」
 08年には、当初のシークエンサーよりも数千倍から数万倍の解析能力を持つ「次世代シークエンサー」が登場し、国際的な腸内フローラ研究が進められるようになる。
 次世代シークエンサーとはいかにも難解な機械を想像するが、簡単にいえば、糞便中のDNAを解析する装置だ。3日程度で腸内細菌叢の構成が分かるという。どんなことが分かってきたのだろうか。

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