国際詳細

News Navi
loading...

北朝鮮 『労働新聞』1面に党幹部登場 機関紙に見える統治法の変化

2020年9月27日号

 9月9日に建国記念日を迎えた北朝鮮。例年ならお祝いムードに国内は包まれるのだが、今年はそうも言っていられない。台風8、9、10号が相次いで上陸し、国内に大きな爪痕を残したためだ。金正恩(キム・ジョンウン)・朝鮮労働党委員長も被災地を訪問するなど、復旧に全力を傾けている。そのような中、朝鮮労働党の機関紙『労働新聞』で生じた異変に、関心が高まっている。

 8月30日付の同紙1面に、経済担当の朴奉珠(パク・ポンジュ)・党副委員長と金徳訓(キム・ドックン)首相の被災地訪問に関する記事が大きく掲載された。通常、1面には最高指導者の金委員長の動静が掲載されるのが鉄則だ。その他、幹部の動静は中面に回される。1面に掲載されたのは異例中の異例だ。

 しかし、これは金委員長流の新たな指導方法だろう。8月20日に韓国の情報機関・国家情報院が「北朝鮮の国家運営方式が委任統治になっている」と明らかにした。国政全般を指導する金委員長が、自分の職務の一部を側近らに委任しているという内容だ。

「委任」という言葉に対し、「金委員長の健康が悪化したため」「妹の金与正(キム・ヨジョン)を後継者に任命する布石では」とみる見方が広がったが、本来は全てを一人で見るのは無理なこと。それは北朝鮮でも同じということだ。

 それは、金委員長が故・金正日(キム・ジョンイル)総書記時代と比べ、憲法や党の規定・規則に従って国政を運営する姿勢を強めていることからも分かる。例えば、今年に入って党中央委員会政治局会議、同拡大会議といった金総書記時代にはきちんと開催されなかった会議が相次いで開かれ、討議の上で責任者と部署を決め、権限と責任を与えて政策を進めることが明確になってきた。

 同時に、政策が失敗すれば金委員長は責任を取らず、幹部の首を切れば済む。「討議」といった民主的な手法を使いながらも、実は権力者に都合のよい統治法なのかもしれない。

(浅川新介)

政治・社会

くらし・健康

国際

スポーツ・芸能

対談

  • 艶もたけなわ

    六平直政 俳優

    2020年9月 6日号

    阿木燿子の艶もたけなわ/315  コワモテで、茶目っ気たっぷり。不思議な魅力で視聴者...

コラム