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米国 ボルトン氏、暴露本で2億円 「実刑判決を受ける恐れ」も

2020年7月12日号

 話題の書が6月23日、米国の書店に並んだ。ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の回顧録『それが起きた部屋』。米メディアによると、出版社はボルトン氏に前払い金として200万㌦(約2億1300万円)を支払い、20万部以上を書店に配本したという。

 ボルトン氏は同書で、トランプ氏がいかに無知かを示すエピソードを数多く記した。ケリー元国土安全保障長官に対し、〈フィンランドはロシアの一部かどうか尋ねた〉ほか、英国の国家安全保障顧問に〈「えっ、あなたの国は核保有国なのか」と聞いた。冗談で言ったのでないことを私は知っている〉といった具合だ。

 またボルトン氏自身の対日交渉をこう暴露した。

〈私はまず谷内(正太郎前国家安全保障局長)に会い、日本が(米軍駐留経費の日本側負担分として)今支払っているおよそ年25億㌦に対し、なぜトランプが80億㌦を要求しているのかを説明した〉

 トランプ政権は猛反発した。ナバロ大統領補佐官(貿易担当)は6月21日、CNNの番組で「彼は出版による利益を得られないだけでなく、実刑判決を受ける恐れがある」と批判。同書には、トランプ氏が中国の習近平主席と会談した際、大統領選を理由に挙げて米国産農産品の購入を強く求めたという記述がある。ナバロ氏は「私は聞いていない。その部屋にいたのに」と、ボルトン氏の信憑(しんぴょう)性に疑問を呈した。

 また政権は「同書は国の安全保障を危うくする機密情報を含む」などとして、出版の差し止めを裁判所に申し立てた。裁判所は6月20日、政府が記載内容を検討する手続きが終わる前にボルトン氏が出版を推し進めたことは〈一方的であり、国の安全保障に重大な懸念がある〉(判決文)としながら、政府の請求を却下した。

 パウエル元国務長官など共和党大物がトランプ氏から離反する動きを見せ始めた。問題の本はとどめの一撃となるのか。

(土方細秩子)

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