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NEWSNAVI米国 大統領激怒「俺は聞いていない」 コロナウイルス感染者の帰国

2020年3月15日号

 世界各地で広がりを見せる新型コロナウイルス。米国でも2月27日現在の陽性患者数は60人。クルーズ船ダイヤモンド・プリンセスで感染した米国人もいる。米国政府は2月16日にクルーズ船に残された328人の米国人をチャーター機で帰国させたが、この行為についてトランプ大統領が激怒している、という。

 理由は、この328人の中に陽性反応の出た乗客14人が含まれていたことだ。チャーター機への搭乗前に陽性が確認されたが、米疾病対策センター(CDC)が反対したにもかかわらず、国務省とトランプ政権の保健福祉省が全員帰国を指示した、という。ところが大統領はこの決断について「事前に相談、報告がなかった」と怒りを露(あら)わにしている。

 怒りの理由はいくつかある。陽性の人々と同じ飛行機で帰国したことを他の乗客は到着まで知らされておらず、「機内で感染したのでは」という不安の声が聞かれる。実際、米国帰国後に陽性反応が出た人もいる。このことで「危機的な状況への大統領としての指導力」に批判が集まることへの不満が一点。さらに国内の感染者が広がれば国の水際対策などが問題視され、秋の大統領選挙に影響するのでは、という危惧もある。

 24日にはニューヨーク・ダウ平均が1000㌦超下落し、米経済にも不安が広がっている。中国人観光客が激減したことで、ホテル、小売りなどの観光関連業界からは悲鳴も上がっている。米国内でアジア系住民に対するヘイトクライムが増加していることも社会不安の種の一つだ。

 しかし何より、国内の感染者が増えることに対する大統領の個人的恐怖心が強い、とも言われている。元々「ばい菌恐怖症」という渾名(あだな)があるほど、感染症への忌避感が強い。新型肺炎対策に25億㌦を投じる、と発表したが、国内の感染拡大への具体策は見えてこない。国務省幹部を呼びつけて怒鳴っているようでは、やはり指導力が問われても仕方ないかもしれない。

(土方細秩子)

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